バカイチ

『バカイチ』は、ハロルド作石によって『週刊ヤングマガジン』で連載されていた格闘漫画であり、単行本は全4巻で刊行されました。

物語は、喧嘩以外に誇れるものが何もない、落ちこぼれの高校生である大場一良、通称「バカイチ」が主人公です。彼は自身の出生に隠された数奇な秘密を知ると同時に、空手を通じて人間として成長していく姿が描かれています。

本作は、『空手バカ一代』へのオマージュ作品として知られており、登場人物の名前などにもその影響が見られます。主人公であるバカイチは、古流空手の使い手であり、物語の舞台はK-1のような打撃系格闘技大会から、当時としてはまだ目新しかった総合格闘技へと展開していきます。

作者であるハロルド作石の作品群の中でも、特に本作は修正が多く加えられたり、単行本に未収録のエピソードが存在したりするなど、特異な点が見られます。

最終巻である4巻には、異色の作品としてサッカー漫画「世界のアオヤマ」の少年編と高校編の2話が収録されています。この「世界のアオヤマ」に登場するザリガニーズというグループは、ハロルド作石の別作品である『ゴリラーマン』にも同名のグループが登場しており、作者の遊び心や繋がりを感じさせます。

『バカイチ』は、格闘技漫画としての熱い展開と、主人公の成長物語、そして作者の他作品との繋がりなど、多角的な魅力を持つ作品と言えるでしょう。

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