バグルス

バグルス（The Buggles）

バグルスは、イギリスの音楽ユニットで、「ラジオ・スターの悲劇」によって広く知られています。この楽曲はニュー・ウェイヴの象徴とも言えるもので、1970年代に結成された彼らの代表作となっています。トリオ形式からデュオへと変遷した彼らのキャリアは、音楽シーンにおいて重要な影響を与えてきました。

初期の活動（1970年代）

バグルスの始まりは、1970年代中盤にさかのぼります。トレヴァー・ホーン（ベース）、ジェフ・ダウンズ（キーボード）、ブルース・ウーリー（ギター）の三人は、イギリスのシンガー、ティナ・チャールズのバックバンドとして活躍し、その後1977年に正式にバグルスを結成しました。トレヴァー・ホーンは音楽プロデューサーとしての才能を持ち、彼らは多くのCM音楽の制作に関わりました。また、後の映画音楽作曲家であるハンス・ジマーも初期の活動を支えました。

しかし、ウーリーは自身のプロジェクトに専念するために脱退し、残ったホーンとダウンズはメジャーレーベルとの契約を結ぶことになります。

デビューと成功（1979年 - 1982年）

バグルスがデュオ体制となると、1979年に初のシングル「ラジオ・スターの悲劇」をリリースし、全英1位の大ヒットを記録しました。この楽曲はもともとウーリーが在籍していたザ・カメラ・クラブのアルバムに収録されていましたが、バグルスのバージョンは斬新な音作りで聴衆を魅了しました。続いて、ファーストアルバム『ラジオ・スターの悲劇』を発表し、彼らは一躍注目を浴びます。

その後、ホーンとダウンズはイエスに加入し、一時は別の音楽活動に専念しました。ホーンがボーカル、ダウンズがキーボードを担当しましたが、イエスのファンからは不評を買い、ツアー終了後に脱退。再びバグルスとして活動を再開することになります。

1981年にセカンドアルバム『モダン・レコーディングの冒険』をリリースしますが、この頃にはダウンズが他のプロジェクトに移ってしまい、実質的にはホーンだけの活動となっていました。ホーンはその後、成功したプロデューサーとしての道を歩むことになります。

再結成と後の活動（2000年代以降）

「ラジオ・スターの悲劇」は1981年にアメリカのMTVの初のミュージックビデオとして放送され、多くのアーティストにカバーされるなど、長年にわたり影響力を持ち続けています。2004年にはホーン、ダウンズ、ウーリーがチャリティーコンサートに参加し、再びバグルスとしての演奏を行いました。

2010年にはバグルスの再結成を発表し、ロンドンで初のフルライブを行います。ダウンズとウーリーも参加し、ファンを喜ばせました。2011年には再びイエスとの活動に関わり、アルバム『フライ・フロム・ヒア』に参加します。これに伴い再結成ライブも成功裏に開催されています。

最近ではホーンがソロ活動を行い、2023年には人気歌手のシールのツアーでバックバンドとして参加するなど、かつての栄光を引き継いでいます。バグルスの音楽は、時を越えて今なお多くの人々に愛され続けています。

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