バケットヘッド卿

バケットヘッド卿の概要

バケットヘッド卿（Lord Buckethead）は、1987年以降ファンから愛され続けているイギリスの政治風刺キャラクターであり、主に総選挙に出馬することで知られています。このキャラクターは、トッド・デュアハムによって1984年の映画『ハイパー・ウォーズ 帝国の逆上』のために創作され、スター・ウォーズのダース・ベイダーのようなキャラクターとして描かれています。バケットヘッドという名称は、直訳で「バケツ頭」を意味し、視覚的にもユーモアを感じさせます。

バケットヘッド卿は、イギリスの総選挙において、一見すると真剣そのものである選挙活動の中に風刺的な要素を込めており、毎回ユニークな政策や公約を打ち出しています。このスタイルが、彼をただの泡沫候補という枠を超えて、特異な存在感を持つキャラクターとして確立させています。

起源と初期の活動

バケットヘッド卿の起源は1980年代に遡ります。当初、デュアハムが制作した映画『ハイパー・ウォーズ 帝国の逆上』に登場したこのキャラクターは、銀河を股にかける悪役として描かれ、映画内ではロバート・ブラッドワースが演じました。1987年にはマイク・リーがバケットヘッド卿をイギリスの総選挙に出馬させ、以降もこのキャラクターはいくつかの選挙で候補者として立ち続けました。

1992年の総選挙では、ジョン・メイジャーが率いる保守党の選挙区に立候補し、バケットヘッド卿は約107票（0.1%）を獲得しましたが、次第に活動は停滞しました。

2017年の復活

2017年、コメディアンのジョナサン・ハーヴェイが新たにバケットヘッド卿として選挙に出馬しました。彼はその際、テリーザ・メイ首相と同じ選挙区から立候補し、多くのメディアで取り上げられたことで話題となりました。ハーヴェイは249票（0.4%）という過去最高の票を得て、バケットヘッド卿の存在感を再び証明しました。この選挙での彼の影響力は、SNSで数十万のフォロワーを獲得することに繋がり、公共の場でも存在感を増しました。

著作権問題とその後

2017年の選挙後、デュアハムはバケットヘッド卿のキャラクターの著作権を主張しました。ハーヴェイがTwitterアカウントを運営していた際、デュアハムから所有権についての連絡を受け、最終的にハーヴェイはキャラクターの使用を続けることが難しくなりました。2019年にはデヴィッド・ヒューズが新たなバケットヘッド卿を演じ、このキャラクターは再び公共の場に姿を現しました。

彼はイギリスのEU離脱に関する国民投票を巡るデモにも参加し、注目を集めました。バケットヘッド卿は、さまざまな政治的ミッションの一部として具現化され続けており、キャラクターのユーモラスな側面を強調しています。

政治寄稿とマニフェスト

バケットヘッド卿のマニフェストには、しばしば現実の政治に関するパロディが盛り込まれており、彼が主張する政策の多くは意図的にユーモラスで風刺的です。例えば、貴族院の廃止を提案しつつも、自身はその例外とすることや、無料で利用できる自転車提供の公約など、趣向を凝らした内容が話題になります。彼の政治スタンスには、既存の制度に対する皮肉や風刺が色濃く反映されており、それが多くの支持を集める要因となっています。

バケットヘッド卿は、イギリスの政治風刺とコメディの象徴ともいえる存在であり、今後も選挙シーンで注目され続けることでしょう。

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