バゴリーノ

イタリア共和国ロンバルディア州に属するブレシア県のコムーネの一つに、バゴリーノ（Bagolino）があります。この基礎自治体には、現在およそ3,800人の人々が暮らしています。

バゴリーノは、その独自の文化と特産品によって、特に知られています。一つは、毎年開催される「バゴリーノのカーニバル（Carnevale di Bagolino）」です。この祭りでは、参加者たちが伝統的な独特の仮面（マスク）を纏い、古くから伝わる踊りを披露します。このカーニバルは、そのユニークなスタイルと歴史的な価値から、地域内外から注目を集めています。

もう一つ、バゴリーノを代表するものとして挙げられるのが、地元産のチーズ、「バゴス（Bagòss）」です。これは、この地のアルプスで育てられた牛のミルクを原料として作られる、硬質タイプのチーズです。バゴスの生産はバゴリーノの重要な産業であり、その風味豊かな味わいは多くのチーズ愛好家に評価されています。町の名前を冠したこのチーズは、地域のアイデンティティとも深く結びついています。

地理的には、バゴリーノは山岳地帯に位置しており、周辺の自然環境に恵まれています。ブレシア県内に加え、一部は隣接するトレント自治県とも境を接しています。具体的には、アンフォ、ビエンノ、ブレーノ、コッリオ、イドロ、ラヴェノーネといったブレシア県内のコムーネや、トレント自治県に属するボンドーネ、ボルゴ・キエーゼ、ストーロといったコムーネと隣接しています。

行政上、バゴリーノにはいくつかの分離集落（フラツィオーネ）が含まれています。主な分離集落として、チェッレート（Cerreto）、ポンテ・カッファロ（Ponte Caffaro）、ヴァッレ・ドリッツォ（Valle Dorizzo）などがあります。また、バゴリーノは、ヴェストーネに事務所を置く広域行政組織、「ヴァッレ・サッビア山岳部共同体（Comunità montana della Valle Sabbia）」を構成するコムーネの一つでもあります。この共同体は、山岳地帯特有の課題に対処し、地域の振興を図る目的で設立されています。

安全面では、イタリア国内で定められている地震リスク階級において、バゴリーノはリスクレベル3に分類されています。これは、比較的地震のリスクが低い地域であることを示しています。

国際交流も行われており、バゴリーノはドイツのバイエルン州にあるエッティンゲン・イン・バイエルン市とは2000年から、フランスのモザック（Mozac）とは2009年から、それぞれ姉妹都市としての交流を続けています。

このように、バゴリーノは伝統的なカーニバルや特産チーズ「バゴス」といった文化的な魅力に加え、豊かな自然環境や地域間の連携、国際交流など、多角的な側面を持つイタリアのコムーネです。

もう一度検索