バジル (小説)

映画『バジル』について

ウィルキー・コリンズの1852年に発表された小説『バジル』を原作とした映画が、1998年にイギリスで公開されました。日本では1999年に上映され、ラダ・バラドワジが監督と脚本を担当し、クリスチャン・スレーターが主演しました。この映画は、愛と復讐が織りなす物語であり、貴族の家に生まれた主人公の苦悩と葛藤が描かれています。

あらすじ

物語は、貴族の家に次男として生まれたバジル・フェアファックスが主人公です。兄のレイフは女との不祥事を起こし、家から追放されます。優しい妹のクララが彼の側に寄り添いますが、バジルは自身の道を歩むために都市へ進学します。彼は弁護士としての道を選ぶものの、美しいマーガレット・シャーウィンと出会うことで運命が大きく変わることになります。しかし、マーガレットは商人の娘であり、身分の違いが二人の間に障壁を作ります。バジルは心のままに彼女を選び、1年間の純潔を条件に結婚することを決意します。

しかし、運命のいたずらか、マーガレットの家族に関わるロバート・マニヨンという男が登場します。彼は美男でありながら、復讐心を抱く危険な影を持っていました。バジルは彼とマーガレットとの関係に悩まされ、ついには激しい衝突が生じます。感情的になったバジルは、マニヨンに手を出してしまい、彼の顔を傷つけます。

この争いの背景には、マニヨンが抱える家族の悲劇があります。彼の父はかつてバジルの父によって破滅させられた経緯があるため、彼はバジルに対する復讐を企てていたのです。物語はさらに悲劇的な展開を迎え、バジルの父とマーガレットの父はこの騒動に激昂し、ハーフブラザーであるレイフが戻って交渉に挑みます。しかし、悲運は続き、マーガレットはチフスにかかり命を落とします。バジルはコーンウォールに身を潜め、苦悩の日々を送ります。

数年後、再びマニヨンと対面し、争いを繰り広げる中で、ついに彼を崖から突き落としてしまいます。その直後、バジルの父もこの世を去り、バジルは妹クララと共に隠遁生活を続けながら、自らの体験を小説として描き上げることを決意します。

映画制作

映画『バジル』は、キャストにクリスチャン・スレーターやジャレッド・レトが出演し、物語の精力を引き立てる役割を果たしています。特にスレーターが演じるジョンは、物語の中で重要な位置を占め、複雑な人間関係の中で対立や愛情を描き出します。映画は原作のエッセンスを保ちながら、視覚的な演出によって視聴者を魅了するように工夫されています。

映画は一定の評価を受けており、原作の魅力を映像として楽しむことができる作品となっています。製作・監督を務めたラダ・バラドワジの手腕によって、重厚なストーリーが見事に具現化されています。

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