バスターのバラード

映画『バスターのバラード』

『バスターのバラード』（原題: The Ballad of Buster Scruggs）は、2018年に公開されたアメリカの西部劇映画で、映画界で名高いコーエン兄弟が監督と脚本を手掛けています。この映画は、各章で異なる物語が展開されるオムニバス形式を採用し、全6つのエピソードから構成されています。豪華なキャストには、ジェームズ・フランコ、ブレンダン・グリーソン、ゾーイ・カザン、リーアム・ニーソン、ティム・ブレイク・ネルソン、トム・ウェイツらが名を連ねています。

物語の概要

バスターのバラード

映画の最初の章では、カウボーイのバスター・スクラッグスが主人公です。彼は白馬のダンに乗り、陽気な性格で歌うことが大好きです。しかし、彼の真の姿は無法者としての一面を持っており、あるバーでの出来事から彼の暴力的な過去が明らかになります。バスターは、悪党たちとの果し合いに巻き込まれながらも、歌で場を盛り上げる姿が印象的です。彼の物語の最期は、まさに西部劇らしい皮肉やユーモアを伴っています。

アルゴドネス付近

次の章では、若いカウボーイが銀行強盗を試みるも、意外な展開に見舞われます。銀行員に軽くあしらわれ、捕まったカウボーイの悲劇が描かれ、逮捕の運命が待っています。

食事券

老興行師と体が不自由な青年ハリソンが舞台で旅をしながら、様々なパフォーマンスを披露しますが、次第に利益が減ってしまい、興行の厳しさが浮き彫りになっていきます。興行師の決断がハリソンの運命を大きく変えることに...。

金の谷

老山師が砂金を掘り当て、若い男との対決を繰り広げるエピソードでは、驚きの展開とサバイバルの要素が強調されています。結末の意外さが観客を引きつけます。

早とちりの娘

アリスという若い女性が新天地を求めて旅をする中、恐ろしいトラブルに巻き込まれます。特に彼女の運命は、他のキャラクターとの関係によって大きく影響を受け、運命がどのように交錯するかが見どころです。

遺骸

最後の章では、寒村での緊迫したやりとりが描かれます。様々なバックグラウンドを持つ人物たちが集まる中で、彼らの間での議論が混乱を引き起こします。生死に関わるテーマが巧妙に織り込まれ、緊張感が続きます。

製作背景

本作は、当初はテレビシリーズとしての構想からスタートしましたが、後に映画として形を整えられました。製作に携わったコーエン兄弟は、発表から公開まで多くの時間をかけ、豪華なキャストをドラマに引き込むことに成功しました。

評価と受賞歴

『バスターのバラード』は、特にその脚本や演出が際立ち、第75回ヴェネツィア国際映画祭で脚本賞を受賞しました。また、第91回アカデミー賞では脚色賞、歌曲賞、衣装デザイン賞にノミネートされました。批評家からも高い評価を受け、Rotten Tomatoesでは93%の支持を得ています。

この映画は、コーエン兄弟ならではの暗いユーモアと感情の深さが融合した作品であり、多様な名場面が詰まっています。

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