バセンジー

バセンジー：吠えない犬、その魅力と飼育のポイント

バセンジーは、中央アフリカのコンゴ共和国原産の古代犬種です。その独特な特徴と歴史から、世界中で愛されています。この記事では、バセンジーの魅力に迫り、飼育する上での注意点などを詳しく解説します。

歴史

バセンジーの起源は非常に古く、紀元前まで遡ると言われています。古代エジプトのチズムという犬種と土着の犬の交配によって誕生したと考えられています。パックで狩猟を行う際に、視覚と嗅覚を駆使して獲物を追い詰める能力に長けていたため、重宝されていました。

19世紀になると、ヨーロッパに紹介され、その優れた容姿と能力が注目を集めました。しかし、当初は犬ジステンパーなどの病気により、輸入と繁殖は困難を極めました。度重なる試行錯誤の末、ようやくイギリスでの繁殖に成功し、ドッグショーでの人気を博したことで、世界中に知られるようになりました。

日本でも一定の人気があり、毎年国内登録頭数も上位にランクインしています。

特徴

バセンジーの最大の特徴は、吠えないことです。喜びや興奮を表す際に、ヨーデルのような独特の声を発しますが、それ以外の場面ではほとんど鳴きません。集合住宅での飼育にも適していると言えるでしょう。

また、額に深いしわを寄せた表情も印象的です。困ったことがあると、さらにしわを深く寄せるという愛嬌のある一面も持ち合わせています。猫のように自分で体を毛づくろいするため、体臭が少ないのも特徴です。

体は筋肉質で引き締まっており、高い運動能力を誇ります。跳躍力に優れ、低い柵などは簡単に飛び越えてしまいます。視覚も優れており、窓から外を眺めるのを好みます。

性格は、家族に対しては愛情深く甘えますが、他人には警戒心が強く、打ち解けるまでに時間がかかることがあります。しかし、一度信頼関係を築けば、忠実なパートナーとなるでしょう。

体高：42～43cm
体重：9.5～11kg
毛色：レッド＆ホワイト、ブラック＆ホワイトなど

飼育のポイント

バセンジーは、活発で運動好きな犬種です。そのため、十分な運動量を確保する必要があります。毎日、大型犬並みの散歩を行うようにしましょう。また、知的好奇心も旺盛なので、様々な遊びやトレーニングを取り入れると良いでしょう。

スムースコートで寒さに弱いため、冬季の散歩時には洋服を着せるなどの防寒対策が必要です。また、腸が弱く下痢を起こしやすい傾向があるため、食事管理にも注意が必要です。消化の良いフードを選び、少量ずつ与えるようにしましょう。貧血にもなりやすいので、定期的な健康チェックも欠かせません。

他人に対して警戒心が強いため、子犬の頃から社会化トレーニングを行うことが重要です。様々な人や犬と触れ合わせることで、社交性を養うことができます。

まとめ

バセンジーは、吠えない、体臭が少ないなど、集合住宅でも飼育しやすい特徴を持つ犬種です。しかし、運動量が必要であったり、寒さに弱かったりするなど、飼育する上での注意点もあります。バセンジーの特性を理解し、適切な飼育環境を整えることで、素晴らしいパートナーとなるでしょう。

参考文献

『犬のカタログ2004』（学研）中島眞理 監督･写真
『日本と世界の愛犬図鑑2007』（辰巳出版）佐草一優監修
『デズモンド・モリスの犬種事典』（誠文堂新光社）デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳
* 『日本と世界の愛犬図鑑2009』（辰巳出版）藤原尚太郎編･著

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