バックグラウンドプロセス

バックグラウンドプロセスとは、システム上でユーザーの直接的な操作を必要とせず、背後で動作するプロセスのことを指します。フォアグラウンドプロセスとは異なり、ユーザーインターフェースを持たず、ターミナルでの入力待ちなどを行うことなく、システムのリソースを利用して継続的に処理を実行します。

バックグラウンドプロセスの特徴

ユーザーインターフェースの欠如: バックグラウンドプロセスは、ユーザーとの直接的な対話を行いません。そのため、画面への表示やキーボードからの入力を必要とせず、システム内部で必要な処理を自動的に実行します。
デーモンやサービスとしての役割: 多くのバックグラウンドプロセスは、デーモンやサービスとして実装されています。これらは、システムの起動時に自動的に開始され、ユーザーがログインしていない状態でも、システムの安定稼働をサポートします。
低い優先度: バックグラウンドプロセスは、通常、フォアグラウンドプロセスよりも低い優先度で実行されます。これにより、ユーザーが直接操作するアプリケーションの応答性を確保し、システム全体のパフォーマンスを維持します。

バックグラウンドプロセスの例

イベントモニタ: システム内で発生するイベントを監視し、特定の条件を満たした場合にアラートを出すなど、システムの状態を監視する役割を担います。
システムロガー: システムの動作に関する情報をログファイルに記録し、トラブル発生時の原因究明やシステムのパフォーマンス分析に役立てます。
Webサーバー: Webサイトのリクエストを待ち受け、Webページを配信するプロセスもバックグラウンドで動作します。
データベースサーバー: データの保存や管理を行うデータベースサーバーも、バックグラウンドで動作するプロセスの典型的な例です。
メールサーバー: 電子メールの送受信を行うメールサーバーも、バックグラウンドで動作し、ユーザーの操作を介さずにメールの配送を行います。

UNIX系システムにおけるバックグラウンドプロセスの実行

UNIX系システム（Linux、macOSなど）では、コマンドの末尾に `&` （アンパサンド）記号を付加することで、プロセスをバックグラウンドで実行することができます。これにより、シェルはコマンドの実行が完了するのを待たずに、次のコマンドを受け付けることが可能になります。

例:

bash
$ command &


上記の例では、`command` というコマンドがバックグラウンドで実行されます。これにより、ユーザーは別のコマンドを入力して実行することができ、複数のプロセスを同時に実行できます。

バックグラウンドプロセスの管理

バックグラウンドで実行されているプロセスは、`jobs` コマンドで確認することができます。また、`bg` コマンドと `fg` コマンドを使用することで、バックグラウンドプロセスをフォアグラウンドに移動したり、その逆を行うことも可能です。

注意点

バックグラウンドプロセスは、システムのメモリ容量に制限されます。過剰な数のバックグラウンドプロセスを実行すると、システムの動作が遅くなる可能性があるため、注意が必要です。不要なプロセスは終了させるなど、適切な管理を行うことが大切です。

もう一度検索