バッドモーターフィンガー

『バッドモーターフィンガー』（Badmotorfinger）は、サウンドガーデンが1991年に発表したアルバムです。スタジオ・アルバムとしては3作目で、メジャー・デビューからは2作目にあたります。このアルバムは、サウンドガーデンの音楽性を大きく飛躍させ、彼らをグランジ・シーンの主要バンドの一つとして確立しました。

本作から、ベン・シェパードがベーシストとして加入し、バンドのサウンドに新たなダイナミズムをもたらしました。彼の加入は、サウンドガーデンの音楽的進化に大きく貢献しています。

『バッドモーターフィンガー』は、サウンドガーデンにとって初の全米トップ40入りを果たしたアルバムでもあります。これは、バンドにとって大きな商業的成功の始まりを意味しました。

アルバムは、第34回グラミー賞で最優秀メタル・パフォーマンス部門にノミネートされましたが、惜しくも受賞は逃しました。しかし、このノミネートは、アルバムの音楽的な質の高さを証明するものでした。

『ギター・ワールド』誌が2009年に読者投票で決定した「偉大なギター・アルバム50」では、本作が45位にランク・インしました。これは、ギター・ミュージックにおける本作の重要性を示すものです。

収録曲は以下の通りです。

1. ラスティ・ケージ - "Rusty Cage"
2. アウトシャインド - "Outshined"
3. スレイヴズ&ブルドーザーズ - "Slaves & Bulldozers"
4. ジーザス・クライスト・ポーズ - "Jesus Christ Pose"
5. フェイス・ポルーション - "Face Pollution"
6. サムホェア - "Somewhere"
7. サーチング・ウィズ・マイ・グッド・アイズ・クローズド - "Searching with My Good Eye Closed"
8. ルーム・ア・サウザンド・イヤーズ・ワイド - "Room a Thousand Years Wide"
9. マインド・ライオット - "Mind Riot"
10. ドローイング・フライズ - "Drawing Flies"
11. ホーリー・ウォーター - "Holy Water"
12. ニュー・ダメージ - "New Damage"

「ラスティ・ケージ」は、ジョニー・キャッシュによってカバーされ、アルバム『Unchained』（1996年）に収録されました。また、「ジーザス・クライスト・ポーズ」は、ザ・ディリンジャー・エスケイプ・プランによってカバーされ、iTunes Storeで配信されたEP『Plagiarism』（2006年）に収録されました。

アルバムの制作には、以下のミュージシャンが参加しています。

クリス・コーネル - ボーカル、リズムギター
キム・セイル - リードギター
ベン・シェパード - ベース
マット・キャメロン - ドラムス

また、アディショナル・ミュージシャンとして、スコット・グランランド（サックス）、アーンスト・ロング（トランペット）、デイモン・スチュワート（ナレーション）が参加しています。

『バッドモーターフィンガー』は、サウンドガーデンの音楽的な成熟を示すとともに、グランジ・シーンにおける彼らの地位を確立した重要な作品です。重厚なサウンドと、クリス・コーネルの独特なボーカルが、聴く者を圧倒します。

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