バディ・テリー

バディ・テリー



アメリカ合衆国ジャズ界において、アルトおよびテナーサックス奏者として活躍した人物にバディ・テリー(Buddy Terry)がいる。1941年1月30日ニュージャージー州ニューアークで生を受けた彼は、そのキャリアを通じて数々の印象的な作品を残した。

テリーの音楽活動が特に活発だったのは、1960年代から1970年代にかけてである。この時期、彼はジャズの名門レーベルであるプレスティッジ・レコードとメインストリーム・レコードにおいて、自身の名を冠したリーダーアルバムを発表した。プレスティッジからは『Electric Soul!』(1967年)や『Natural Soul』(1968年)といったタイトルがリリースされており、これらのタイトルからも当時のソウルジャズやファンクジャズといったジャンルとの関連性がうかがえる。メインストリーム・レコードに移ってからも、『アウェアネス』(Awareness、1971年)、『ピュア・ダイナマイト』(Pure Dynamite、1972年)、そして『リーン・オン・ヒム』(Lean on Him、1973年)といった作品を次々と発表し、その個性的で力強いサックスサウンドを披露した。これらのアルバムは、彼の円熟期における創作活動を知る上で重要な手がかりとなる。

また、バディ・テリーはリーダーとしての活動に加えて、他の多くの著名なミュージシャンたちの作品にも参加し、その演奏に彩りを添えた。彼の参加したアルバムの中には、ジャズ史に名を刻むアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの『チャイルズ・ダンス』(1972年)や、オルガニストのリチャード・グルーヴ・ホームズの『アイム・イン・ザ・ムード・フォー・ラヴ』(1976年)、ピアニストのハロルド・メイバーンの『A Few Miles from Memphis』(1968年)などがある。他にも、ビリー・ホークス、ジョー・モレロ、アルフォンス・ムゾーン、フレディー・ローチといった多岐にわたるアーティストとの共演歴は、彼がいかにジャズシーンにおいて求められる存在であったかを物語っている。

活動は1970年代以降も続いたが、特に2000年代から2010年にかけては、Swingadelicというグループとの共同作業も行った。ここでは、『Organ-ized!』(2002年)など、オルガンジャズ寄りのサウンドにも関わったことが記録されている。

ジャズサックス奏者として長きにわたり活動を続けたバディ・テリーは、2019年11月29日に78歳でその生涯を閉じた。死因は脳卒中であった。彼の残したリーダー作品や数々の参加作品は、今なお多くのジャズファンに聴かれ続けている。

ディスコグラフィ



リーダー・アルバム

Electric Soul! (1967年、Prestige)
Natural Soul (1968年、Prestige)
『アウェアネス』 - Awareness (1971年、Mainstream)
『ピュア・ダイナマイト』 - Pure Dynamite (1972年、Mainstream)
『リーン・オン・ヒム』 - Lean on Him (1973年、Mainstream)

参加アルバム

アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ - 『チャイルズ・ダンス』 (Child's Dance, 1972年、Prestige)
ビリー・ホークス - Heavy Soul! (1968年、Prestige)
リチャード・グルーヴ・ホームズ - 『アイム・イン・ザ・ムード・フォー・ラヴ』 (I'm in the Mood for Love, 1976年、Flying Dutchman)
ハロルド・メイバーン - A Few Miles from Memphis (1968年、Prestige)
ジョー・モレロ - 『サウンド・オブ・サイレンス』 (Another Step Forward, 1969年、Ovation)
アルフォンス・ムゾーン - 『ジ・エッセンス・オブ・ミステリー』 (The Essence of Mystery, 1973年、Blue Note)
フレディー・ローチ - 『ザ・ソウルブック』 (The Freddie Roach Soul Book, 1966年、Prestige)
Swingadelic - Organ-ized! (2002年、MediaMix)
Swingadelic - Big Band Blues (2005年、MediaMix)
Swingadelic - Another Monday Night (2007年、MediaMix)
The Tonemasters - Goin With The Flow (2004年、Blues Leaf)

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