バトル・ロワイアル 天使たちの国境

『バトル・ロワイアル 天使たちの国境』

『バトル・ロワイアル 天使たちの国境』は、高見広春の原作を基に、大西実生子や小熊陽平が手掛けた日本の漫画作品です。この作品は、2011年に『ヤングチャンピオン』で連載されました。

概要

本作は、高見広春の小説『バトル・ロワイアル』のスピンオフで、原作ではあまり描かれなかった谷沢はるかや松井知里の視点から物語が進められます。登場人物たちは、灯台に立て籠もった6人の少女を中心に展開するストーリーに関与し、彼女たちの内面や秘めた想いに深く迫っています。

作品はエピソードが二つに分かれており、Episode.1では大西実生子の作画にて谷沢はるかが主人公、Episode.2では小熊陽平による松井知里視点の物語が展開されます。また、原作に登場する教官名はそのまま坂持が使用されており、ストーリーは原作に忠実です。さらに、単行本の巻末には高見広春による書き下ろしシナリオが付属しています。

あらすじ

物語は、全体主義国家・大東亜共和国が毎年行う軍事実験、「プログラム」に選ばれた中学3年生たちから始まります。このプログラムでは、無作為に選ばれた学級が、唯一の生き残りをかけた殺し合いを強いられます。香川県の城岩中学校3年B組が選ばれ、運命の幕が切って落とされることになりました。

ゲーム開始直後、女子12番の谷沢はるかと女子02番の内海幸枝は合流し、さらに他のクラスメイトたちも仲間として加わります。彼女たちは、ゲームの舞台となる島を探索した結果、海辺に佇む灯台にたどり着きます。そこには、必要な食料や水が揃っており、彼女たちは燭の明かりの中で身を寄せ合い生存を図ります。

しかし、ゲームは進行し、彼女たちのクラスメイトたちの死亡が次々と報告されます。そんな中で、灯台に近づく新たなクラスメイトの姿が現れます。一人は女子09番の榊祐子で、もう一人は男子15番の七原秋也です。榊の保護を受けた後、七原が重傷を負って灯台に運び込まれますが、彼の存在は灯台にいる少女たちの運命を大きく揺るがします。

登場人物

• - 谷沢 はるか（たにざわ はるか）: Episode.1の主人公で、クラス内での片想いを隠しながら生きる少女。
• - 松井 知里（まつい ちさと）: Episode.2の主人公。落ち着いた性格で、将来の夢に向かって努力している。
• - 内海 幸枝（うつみ ゆきえ）: クラス委員長で、谷沢の恋心に無自覚なまま彼女とともに行動する。
• - 榊 祐子（さかき ゆうこ）: 気弱な少女で、恐怖に苛まれつつも仲間と共に貴重な時間を過ごす。
• - 中川 有香（なかがわ ゆか）: 不運にも灯台内で最初に命を落とす少女。
• - 七原 秋也（ななはら しゅうや）: 人気者で、灯台の状況を一変させる存在。

作品は、人間の内面や友情、葛藤が展開される中で、やがて生じる裏切りや運命の悲劇を描いていきます。『バトル・ロワイアル 天使たちの国境』は、単なるサバイバルゲームの枠を超えた深いストーリーを提供しています。

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