バナナ・スプリット

バナナ・スプリット：アメリカン・バラエティ番組の軌跡

1968年から1970年にかけて、アメリカNBCで放送された『バナナ・スプリット』は、子供向けバラエティ番組として人気を博しました。制作は、数々の有名アニメーション作品を生み出したハンナ・バーベラ・プロダクション。アニメーション、歌、実写パートなど、様々な要素が盛り込まれた45～48分の番組構成が特徴です。

個性豊かなキャラクターたち

番組の中心は、4匹の動物キャラクターからなるバンド「バナナ・スプリッツ」です。

フリーグル (ワンチョ): 赤い蝶ネクタイをつけた犬。ギターとボーカルを担当する、バンドのリーダー的存在です。
ビンゴ (デッパッパ): ウェストコートを着たゴリラ。パワフルなドラムとボーカルでバンドを支えます。
ドルーパー (オモナーガ): メガネをかけたライオン。落ち着いたベースとボーカルでバンド全体のバランスを整えます。
スノーキー (ムックムク): メガネをかけたゾウ。キーボードとエフェクトを担当し、音楽に奥行きを与えます。

これらのキャラクターたちは、それぞれ個性的な性格と魅力を持ち、子供たちの心を掴みました。彼らのコミカルなやり取りや音楽パフォーマンスは、番組の見どころの一つです。

さらに、バナナ・バック、クック・クロック、グーフィー・ゴーファーといった個性的なキャラクターや、サワー・グレープ・パンチ、ディリー・シスターズといったゲストも登場し、番組に彩りを添えました。

日本での放送と人気

『バナナ・スプリット』は、1970年12月1日から1971年6月29日にかけて、東京12チャンネル（現・テレビ東京）で『マンガ大冒険!ドタバタ30分』のタイトルで放送されました。放送時間は毎週火曜日の19時00分から19時30分の30分枠。アメリカでの放送時間よりも短縮されていましたが、それでも子供たちを魅了する人気番組となりました。

日本語版の声優陣には、柳家かゑる（現：五代目鈴々舎馬風）、柳家小きん（現：6代目柳家つば女）、久野四郎、宮地晴子など、当時を代表する声優たちが名を連ねており、彼らの高い演技力が番組の成功に大きく貢献しました。主題歌も、オリジナルのメロディーに日本語歌詞をつけたもので、主役4人の吹き替え声優陣が歌っていました。

映画化とホラー映画

1972年には、テレビ映画『The Banana Splits in Hocus Pocus Park』が制作されましたが、日本での公開はありませんでした。しかし、2019年には『ザ・バナナ・スプリッツ・ムービー』として、原題とは異なるホラー映画がアメリカで公開。その後、『バナナ・スプリッツ・ホラー』のタイトルで、2023年8月9日から日本でもDVDレンタルおよびデジタル配信が開始され、新たな注目を集めています。

まとめ

『バナナ・スプリット』は、子供向けバラエティ番組として高い人気を誇り、アメリカと日本で多くのファンを獲得しました。個性豊かなキャラクターたち、魅力的な音楽、そして時代を超えた人気は、現在もなお人々の記憶に刻まれています。そして、近年になってのホラー映画化は、新たな世代へのアプローチとして成功を収めています。この番組が、かつて子供時代を過ごした世代にとっては、懐かしの思い出として、そして新しい世代にとっては、新鮮な驚きと恐怖として、長く記憶に残る作品となるでしょう。

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