バヌアツの行政区画

バヌアツの行政区画

バヌアツ共和国は、広大な海域に多数の島々が点在する国家であり、その行政運営のために独自の区画制度を採用しています。現在、国の主要な行政区分となっているのは六つの州であり、これは1994年に導入された体制です。

現在の行政区画 (1994年以降)

1994年以降、バヌアツは国土を六つの州（Province）に分割しています。これらの州は、地理的なまとまりや主要な島々の名称に由来しており、国の北から南へと順に並んでいます。

各州の下には、地域レベルの行政単位として地域協議会（Area Council）や基礎自治体（Municipality）が設置されています。ただし、基礎自治体は非常に限定的であり、首都が置かれているポート・ヴィラ（ポートビラ）と、北部の主要都市であるルーガンヴィルの二都市のみがこれに該当します。それ以外の地域は、全て地域協議会の管轄下に置かれています。

各州の規模は異なり、人口についても差が見られます。2013年に実施された推計によると、州ごとの人口は様々です。（具体的な数値は示されていませんが、統計が存在します。）

以下に、北から南への順で六つの州の一覧を示します。

トルバ州 (Torba): トレス諸島、バンクス諸島を含む。
サンマ州 (Sanma): エスピリトゥサント島、マロ島を含む。
ペナマ州 (Penama): ペンテコスト島、アンバイ島、マエウォ島を含む。
マランパ州 (Malampa): マレクラ島、アンブリム島、パーマ島を含む。
シェファ州 (Shefa): シェパード諸島、エファテ島を含む。
タフェア州 (Tafea): タナ島、アネイティウム島、フツナ島、エロマンゴ島、アニワ島を含む。

これらの州とその下位組織が、バヌアツにおける地方行政の根幹をなしています。

行政区画の変遷

バヌアツの行政区画は、その歴史の中で何度か変化を遂げてきました。

1968年～1984年: イギリスとフランスの共同統治領であったニューヘブリディーズ時代、そして1980年の独立後から1984年までの間は、国は四つの地区（District）に分けられていました。
1984年～1994年: 1984年からは、行政の効率化などを目的として、より細分化された十一の協議会（Council）体制へと移行しました。この体制が約10年間続きました。
* 1994年以降: そして1994年に、現在の六つの州を基本とする体制が確立され、現在に至っています。

これらの変遷は、バヌアツが国家として発展し、統治機構を最適化していく過程を反映しています。現在の六州体制は、広範な地域をカバーしつつ、地方分権的な要素も持つ構造となっています。

バヌアツの行政区画は、単に地理的な区分に留まらず、それぞれの地域の文化や社会構造、経済活動とも深く結びついており、国の多様性を管理し、発展を推進するための重要な枠組みとなっています。

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