バヌーの聖母

バヌーの聖母：貧しき者のための聖母出現

1933年、ベルギーの小さな村バヌーで、12歳の少女マリエット・ベコに聖母マリアが出現したと伝えられています。この出来事は、バヌーの聖母、あるいは「貧しき者の聖母」として知られ、カトリック教会によって正式に承認された奇跡として広く信仰されています。

聖母の出現

1月15日の夕方、マリエットは自宅の窓から庭に白い衣をまとった女性の姿を見ました。女性はマリエットを呼びかけ、数日後再び現れ、「貧しき者の聖母」であると告げたとされます。その後、3月2日までの間に計8回に渡り、聖母マリアが出現したと伝えられています。

聖母は、マリエットに「私は苦しみを楽にするために来た」「私を信頼しなさい。私もあなたを信頼する」と告げたと言われています。出現の間、聖母は白い衣をまとい、青い帯と白いベールを身に付けていたと描写されています。また、マリエットは聖母から小さなバネを受け取ったとも語っています。

マリエットと周囲の反応

マリエットの主張は、当初は村の住民から嘲笑の的となりました。しかし、聖母の出現は次第に広まり、多くの信者を集めるようになりました。教会は1935年から1937年にかけて公式調査を行い、ローマに証拠を提出。1942年にはリエージュの司教が「貧しき者の聖母」としての崇敬を許可し、1949年には教皇庁が正式にこの聖母出現を承認しました。

マリエットのその後

聖母出現の後、マリエットは修道院に入ることはありませんでした。彼女は普通の生活を送ることを選び、結婚し、家族とともに静かに暮らしました。2008年には、自身の体験について「私はもう郵便を配達する人ではない。いったんそれが完了したならば、その配達人はもう重要ではない」と述べています。2011年、90歳で亡くなりました。

バヌーの聖母と巡礼

聖母が出現したとされる場所には、現在小さな教会が建てられています。バヌーの聖母は「貧しき者の聖母」と「諸国の女王」の2つの称号を持ち、1月15日が祝日となっています。多くの巡礼者がこの地を訪れ、聖母の奇跡を祈りに訪れています。聖母出現の物語は、信仰の力と、困難の中でも希望を捨てないことの大切さを教えてくれます。聖母マリアへの信仰は、バヌーの小さな村に、世界中からの巡礼者を集める力強い存在感を生み出しました。

参考文献

Our Lady of Banneux official website
Our Lady of Banneux YouTube
* Banneux The apparitions of Our Lady - 福者カルロ・アクティス製作のサイト

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