バハマ中央銀行

バハマ中央銀行の概要

バハマ中央銀行（Central Bank of The Bahamas）は、バハマの首都ナッソーに拠点を置く中央銀行です。1974年6月1日に設立され、バハマの金融セクターにおける独立した金融政策の実施と監督を担っています。

歴史

バハマ中央銀行の歴史は、1919年に設立された通貨委員会にまで遡ります。この委員会は、当初、イギリス政府によって設立され、バハマの現地通貨を英ポンドに固定して発行する役割を担っていました。

通貨委員会時代

1960年代から1970年代にかけて、通貨委員会はバハマを国際的な金融取引・銀行センターとして発展させる上で重要な役割を果たしました。1963年にはわずか37行だったバハマの銀行・信託会社数は、1967年12月には208行、1974年には323行にまで増加しました。しかし、この急成長に対して、銀行活動を適切に規制・監督するための法的枠組みは不十分でした。

バハマ金融管理局（BMA）の設立

1968年、通貨委員会に代わってバハマ金融管理局（Bahamas Monetary Authority：BMA）が設立されました。政府はその後、バハマ・ドルのポンドへの固定を終了し、米ドルに固定しました。BMAは、バハマの金融システムにおける役割を拡大し、まず、外貨の売買を中央集権的なシステム下で行うようになりました。これにより、銀行は外貨準備をBMAの管理下に置くことが可能になり、事実上、為替リスクを排除することができました。

次に、BMAはバハマ政府の国債を購入する権限を与えられ、これにより裁量的な金融政策が開始されました。最後に、BMAは金融危機時に商業銀行に対する最後の貸し手としての役割を果たすことが認められました。しかし、BMAは短命に終わり、1974年にバハマ中央銀行に取って代わられました。

バハマ中央銀行の設立

バハマ中央銀行は、1974年6月1日に「バハマ中央銀行法」によって設立されました。この法律は2000年に改正され、現在の「バハマ中央銀行法」となっています。

中央銀行の役割

バハマ中央銀行の主な任務は以下の通りです。

バハマ経済の秩序ある発展につながる、金融の安定性、信用、および国際収支の状況を促進・維持する。
適切な銀行サービス、高い水準の行動、および健全な銀行経営を促進・維持する。
財務大臣からの要請に応じて、財務または金銭上の問題について助言を行う。

また、バハマ中央銀行は紙幣や硬貨の唯一の発行者であり、政府の銀行家および顧問としての役割を果たし、政府の債務を管理します。さらに、商業銀行の銀行家としての役割も担い、必要に応じて最後の貸し手としての機能も果たします。

バハマは国際通貨基金（IMF）に加盟しており、資本勘定取引、外国株式投資、外国直接投資、その他の対内・対外資金の流れに対して為替管理を適用することができます。

デジタル通貨の導入

2020年10月、バハマ中央銀行は、バハマ・ドルのデジタル版であるサンド・ドルと呼ばれるデジタル通貨を発表しました。このデジタル通貨の導入は、バハマの金融システムの近代化における重要な一歩となっています。

まとめ

バハマ中央銀行は、バハマの金融システムの中核をなす機関であり、設立以来、その役割は大きく変化してきました。通貨委員会、BMAを経て、現在は独立した中央銀行として、金融政策の実施、銀行の監督、デジタル通貨の導入など、多岐にわたる業務を遂行しています。

出典

バハマ中央銀行公式サイト

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