バランガイ

バランガイとは

バランガイ（タガログ語：baranggay）は、フィリピンにおける最小の地方自治単位であり、都市や町を構成しています。これは村や地区を指すフィリピン独特の言葉で、バリオ（barrio）という旧称でも知られています。バランガイは通常「Brgy」または「Bgy」と略され、2019年5月時点ではフィリピン全土に42,045のバランガイが存在していることが確認されています。

歴史的背景

この言葉は、現地の言語で「帆船」を意味し、フィリピンがスペインの統治下に入る前、マレー人が舟で移動し、各地に住んでいたことに由来しています。スペイン統治時代には「バリオ」と呼ばれ、最初は徴税機関として機能していました。しかし1973年に、フィリピンの大統領だったフェルディナンド・マルコスのもとでバリオという名称から再びバランガイへと改められ、1991年には地方自治体に関する法律に記されることとなりました。

バランガイの要件

バランガイは都市や町の下に位置し、国家の政策や計画の基盤となる単位として機能します。バランガイは2000人以上の人口を持つ土地を単位として設立可能ですが、メトロマニラや高度に都市化した地域では5000人以上の人口が求められます。異なる島々から成るバランガイも認められています。

行政機関としての役割

バランガイには、住民から公選されるバランガイ長を中心としたバランガイ政府と、バランガイ議会があります。議会は9名の議員で構成され、そのうち7名は公選で選ばれます。この議会は条例の制定、予算の審議、地域開発計画や福祉計画の策定に関与します。

さらに、バランガイには「青年バランガイ議会」もあり、15歳から21歳までの青年層から公選によって選ばれたメンバーが参加し、若者の意見を政治に反映させる役割を果たします。また、地域の問題や財政状況について住民が意見や討論を行う「バランガイ会議」が開催されます。これは、6ヶ月以上居住する15歳以上のフィリピン国民全員が参加することが可能で、地域の争いごとの解決や、地方予審裁判所への調停の結果報告を行う重要な機会となっています。

2013年の選挙

2013年10月28日に行われたバランガイの選挙では、全国の42,028のバランガイから議長および議員が選ばれました。この選挙では投票に関する暴力事件も発生し、7名の死者と7名の負傷者が出ました。

バランガイはフィリピンにおける地域社会の重要な基盤であり、住民の声を反映する場として機能しています。

もう一度検索