バルニム1世 (ポメラニア公)

バルニム1世：ポメラニアの発展に貢献した公

バルニム1世（1217/9年 - 1278年）は、13世紀のポメラニア公であり、その治世はポメラニアの歴史において重要な転換期となりました。彼の生涯と業績を詳しく見ていきましょう。

生涯

バルニム1世は、ボギスラフ2世とミロスワヴァ・フォン・ポメレリアの息子として生まれました。1220年に父が亡くなると、ポメラニア＝シュチェチン公領を継承しましたが、従兄弟のヴァルティスラフ3世と共同で統治することになりました。幼少の頃は母ミロスワヴァの摂政下に置かれましたが、後に自らの手で公領を治めることになります。

当時のポメラニアはデンマークの支配下にありましたが、ボルンヘーフェトの戦いでの北ドイツ諸侯の勝利により、神聖ローマ帝国へと戻りました。しかし、神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世は、グリフ家の支配権を無視し、ポメラニア公領をブランデンブルク辺境伯の宗主権下に置きました。これが、後にブランデンブルクとポメラニア間の長きにわたる対立の火種となります。

バルニム1世は、ブランデンブルク辺境伯との和解を図り、1250年のランディン条約で、自らブランデンブルク辺境伯の家臣であることを認め、ウッカーマルク地方を放棄しました。しかし、ヴァルティスラフ3世の死後もその領地がグリフ家に残されるという合意を取り付けました。1264年にヴァルティスラフ3世が亡くなると、バルニム1世はポメラニア公領全体を統一し、自らの統治下に置くことに成功しました。

東方植民の推進と都市の設立

バルニム1世の最大の功績の一つは、ドイツ人移民とドイツの習慣を導入することで東方植民を推進したことです。彼はプレンツラウ、シュチェチン、ガルツなど、数多くの町を設立し、これらの都市はポメラニアの経済と文化の中心地として発展しました。

教会への支援

バルニム1世は、教会への寛大な支援でも知られています。彼はコウォブジェク地域におけるカミエン司教による世俗的統治の拡大を支持し、教会の勢力拡大に貢献しました。

死去とその後

バルニム1世は、現在のシュチェチンの一部であるドンビエで亡くなりました。彼の死後、ミンネジンガーのルメラントは彼の栄誉を讃える哀歌を作りました。

結婚と子女

バルニム1世は生涯で3度の結婚をしました。最初の妻マリアンナとの間には娘アナスタシアが、2番目の妻マルガレーテとの間には息子ボギスラフ4世が生まれました。3番目の妻メヒティルトとの間には、ミロスラヴァ、ベアトリクス、マティルデ、バルニム2世、オットー1世の5人の子供が生まれました。

アナスタシア：メクレンブルク領主ハインリヒ1世と結婚
ボギスラフ4世：ポメラニア公
ミロスラヴァ：シュヴェリーン伯ニクロト1世と結婚
ベアトリクス：ヴェルレ領主ハインリヒ2世と結婚
マティルデ：早世
バルニム2世：ポメラニア公
* オットー1世：ポメラニア公

バルニム1世は、ポメラニアの発展に大きく貢献した君主として、その名は歴史に刻まれています。

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