バルニム7世 (ポメラニア公)

バルニム7世：ポメラニア公、知られざる生涯

バルニム7世（1403年 - 1449年/1450年）は、中世後期、ポメラニア地方を治めた公の一人です。父バルニム6世の後を継ぎ、ヴォルガスト公領を統治しました。彼の生涯は、当時のポメラニア地方の政治状況や社会情勢を反映しており、興味深いエピソードに満ちています。

若年期の庇護と共同統治

バルニム7世は、幼少期を叔父ヴァルティスラフ8世や兄ヴァルティスラフ9世の後見のもとで過ごしました。1417年からは、兄と共にリューゲン公国を共同統治し、政治に関与するようになります。この時期は、バルニム7世が統治者としての経験を積むための準備期間であったと言えるでしょう。

デーン人との戦いと親政

1420年、バルニム7世はシュレースヴィヒにおいて、デーン人との戦いや和平交渉に参加しました。1425年に親政を開始してからは、デンマーク王エーリクと共にパレスチナ巡礼から帰国。ヴォルガスト公領の分割後、兄と共に公領を共同統治しますが、実際にはギュッツコーに居住し、「ギュッツコー領主」と呼ばれていました。この頃から、バルニム7世はギュッツコーを中心とした地域経営に力を注いでいたと考えられます。

狩猟好きの領主

バルニム7世は、狩猟を好む人物としても知られていました。その熱心さから、「犬の番人」というあだ名が付けられたほどです。当時の貴族階級にとって、狩猟は重要な娯楽であり、権威を示す手段でもありました。バルニム7世もまた、狩猟を通じて領民との交流を深め、自らの存在感を示していたのかもしれません。

結婚の計画と愛妾の悲劇

バルニム7世は生涯結婚することはありませんでしたが、ポーランドとの同盟の一環として、マゾフシェ公女との縁談が進められていた時期がありました。しかし、この結婚は実現しませんでした。また、バルニム7世にはプルゼケルという愛妾がいましたが、彼女は魔女として告発され、悲劇的な最期を遂げました。この事件は、当時の社会における迷信や権力闘争を浮き彫りにしています。

死去とその時期

バルニム7世の没年は正確には分かっていません。1449年8月24日の文書には、兄や従兄弟と共に名前が記されていますが、1450年8月29日の条約締結時にはすでに亡くなっていたとされています。バルニム8世の死（1451年12月19日）までには確実に死去していたと考えられています。彼の死後、ギュッツコーとその周辺地域は、ポメラニア公国の中でどのような位置づけになったのでしょうか。

バルニム7世の生涯は、中世ポメラニアの歴史の一断面を垣間見せてくれます。領主として、政治家として、そして一人の人間として生きた彼の足跡は、現代に生きる私たちにとっても、示唆に富むものと言えるでしょう。

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