バロック・ハープ

バロック・ハープ：古楽器の魅力

バロック・ハープは、17世紀から18世紀にかけて使用されたハープの一種で、ペダルアクションを使用せずにすべての半音を演奏できる点が特徴です。トリプルハープとも呼ばれ、古楽器として独特の存在感を放っています。

バロック・ハープの概要

トリプルハープは16世紀末から17世紀初頭にかけてイタリアで発明され、17世紀に広く普及しました。しかし、ペダルアクションのハープが発明されると、次第に衰退していきました。

現代のダブル・アクション・ペダル・ハープとの大きな違いは、以下の点です。

ペダルが存在しない
弦が3列に張られている

弦の配置は、両脇の列がピアノの白鍵に対応するダイヤトニック、中央の列が黒鍵に対応する配置となっています（クロマティック・ハープとは異なります）。そのため、演奏者は両脇の弦の間から指を入れて中央の弦を弾く必要があります。

現代のダブル・アクション・ペダル・ハープが主に47本の弦を持つ一方で、バロック・ハープには100本ほどの弦が張られています。ただし、弦のテンションはダブル・アクション・ペダル・ハープに比べて低く、細いのが特徴です。主にガット弦が用いられますが、一部にはフロロカーボンなども使用されます。調律法は現代の平均律ではなく、ミーン・トーン、ヤング、ヴァロッティなどが用いられることが多いです。

バロック時代以降、トリプルハープはほとんどの地域で廃れてしまいましたが、ウェールズでは現代まで命脈を保ちました。現在でも、この楽器のために新作が書かれることがあります。また、日本ではゲーム音楽で使用された事例もあります。

現代の著名なバロック・ハープ奏者

西山まりえ
アンドリュー・ローレンス=キング
マーラ・ガラッシ

これらの演奏家たちは、バロック・ハープの魅力を現代に伝えています。

バロック・ハープを制作している工房

ライナー・トゥーラウ(独ヴィース・バーデン)

バロック・ハープで演奏されているCD

西山まりえ(バロック・ハープ ソロ) バロック・ハープとの出会い L'incontro con l'arpa barocca（16-17世紀イタリアの作品） OMF KCD-2034
ローレンス=キング バッハ:シャコンヌ〜シークレット・オブ・セミトーン 独ハルモニア・ムンディ
「NO EARLY MUSIC, NO LIFE ? アーリー・ミュージックでメッセージを !」 OMF KCD-2035

これらのCDを通じて、バロック・ハープの音色を堪能することができます。

関連事項

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バロック・ハープは、ハープ音楽の歴史における重要な一部であり、古楽の世界において独特の役割を果たしています。その繊細で豊かな音色は、多くの人々を魅了し続けています。

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