バロム・1

バロム・1

『バロム・1』は、さいとう・たかをによる漫画作品であり、1970年から約1年間『週刊ぼくらマガジン』に連載されました。その後、1972年には特撮テレビドラマ『超人バロム・1』として実写化、2002年にはテレビアニメ『バロムワン』としてアニメ化され、幅広いメディアで展開されました。

ストーリー

物語は、大宇宙で何千年も戦い続ける二つの力、平和と正義の力であるコプーと、悪と呪いの力であるドルゲの戦いを軸に展開されます。永い戦いの末、ドルゲは地球に到達し、地底深くに住処であるドルゲ洞を構え、地球を悪の世界にするための活動を開始します。

ドルゲは自らは直接手を下さず、人間を自らの分身＝悪のエージェントとして超能力を与え、人類滅亡計画を実行させようとします。一方、コプーもドルゲを追って地球に到達しますが、寿命を迎えようとしていました。そんな時、ドルゲの戦闘員・アントマンと勇敢に戦う2人の少年、白鳥健太郎と木戸猛に出会います。コプーは彼らの友情と正義感に心を打たれ、彼らに「超人バロム・1」に合体変身（バロム・クロス）する能力を与え、ドルゲとの戦いを託します。

健太郎と猛はドルゲ魔人に対抗する正義のエージェントとして、ドルゲ魔人探知機ボップを使い、暗躍するドルゲ魔人の企みを見破り、彼らと闘うことになります。

漫画『バロム・1』

漫画版では、超人バロム・1は成人男性の姿をしており、衣服や光線銃、そしてボート状の宇宙艇に変形したり、ドルゲに対する警報を発する万能武器ボップをコプーから授けられています。白鳥健太郎と木戸猛は超人バロム・1の力を授かった後、変身の方法を自ら見つけ出す必要がありました。コプーはバロム・1に「私を頼るな。自ら考えて戦え」と語り、基本的に干渉しません。バロム・1の状態でも、健太郎と猛は互いの意識を残しており、会話をすることができます。超人バロム・1が無意識に叫ぶ「バローム」は、コプーによると地球の言葉で「友情」を意味しています。

漫画版におけるドルゲは、円盤状の宇宙生物という設定であり、メカニカルな身体に脳らしきものが見えることからサイボーグであることが示唆されています。円盤状の本体から、黒い霧状の魔人の姿を投射することができ、このイメージが特撮版のドルゲの元となっています。ドルゲは一個体ではなく、「悪の友」と互いに呼び合う同族を宇宙から呼び寄せようとしていますが、コプーの力により、日本以外の地域への地球侵入が不可能とされています。ドルゲの操る力は強大で、古代生物の化石を甦らせたり、死体を含む動物、人間（犯罪者）など、あらゆるものを怪物に変えることが可能であり、バロム・1が最後の武器である全エネルギー放射を行なっても、ドルゲの本体である円盤と相打ちになるのがやっとでした。なお、怪物が出現した際に、超人バロム・1の存在はマスコミによって報道され、周辺に殺到してくる人々のため、ドルゲへの反撃ができず危機に陥ったこともありました。

テレビアニメ『バロムワン』

2002年には『バロムワン』としてテレビアニメ化されました。特撮版と同様に設定やストーリーが大幅に改変されています。

ストーリー（アニメ）

時は西暦2014年、謎の巨大生物が人間を襲撃する事件が多発していました。同じ日の同じ時刻に同じ病院で誕生した白鳥健太郎と木戸猛は、14歳の誕生日にインターネットを通じて突然現れたコプーから、悪の使いであるゴーモンが覚醒したことや、自分たちが「選ばれし者」であることを告げられます。翌日、半信半疑の2人は岬の灯台のもとへ導かれ、そこで謎の巨大生物に遭遇します。巨大生物に為す術のない2人は逃げまどい、最後には海へ飛び込んで脱出を試みます。コプーは海底に沈みゆく2人をエージェントに任命し、正義の使者バロムワンに変身するための腕輪とボップを授けるのでした。

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