バロンドール

バロンドールについて

バロンドール（仏: Ballon d'Or）は、サッカー界で最も権威ある個人賞の一つとして広く認識されています。この賞は、1956年にフランスのサッカー専門誌「フランス・フットボール」によって創設され、その年の世界年間最優秀選手に贈られるものです。当初は欧州の選手のみが対象でしたが、2007年以降、選考範囲が世界全体に広がりました。バロンドールという名前はフランス語で「黄金の球」を意味し、受賞者には金色のサッカーボールに似たトロフィーが授与されます。

歴史と変遷

バロンドールは、設立以来その格式を保ち続けています。2010年からは、FIFAが主催する最優秀選手賞と統合され、FIFAバロンドールとして表彰されるようになりました。しかし、2016年にFIFAとの提携が終了し、再びフランス・フットボール独自の表彰として復活しました。これにより、受賞者リストにもFIFAバロンドールの受賞者が含まれることになりました。

選考プロセス

受賞者は、サッカー専門の記者による投票で決まります。当初は欧州国籍の選手のみが対象だったため、投票も欧州の52か国からの記者によって行われていました。しかし、1995年からはUEFAに加盟するクラブでプレーしている選手は国籍に関係なく受賞資格を得ることができ、2007年には全世界の選手が候補となることが公式に発表されました。この変更により、欧州以外の多くのスポーツ記者も加わり、投票数が大幅に増加しました。たとえば、2019年には176か国・地域の記者が一人一票の投票を行っています。

受賞者の特徴

この賞で最も多く受賞した選手はリオネル・メッシで、彼は8回の受賞歴を持ちます。また、受賞者のほとんどが欧州や南米の選手であることも特筆すべき点です。アジア出身の選手は2022年にソン・フンミンが最高位の11位にランクインしたのが目立ちますが、日本人選手はバロンドールの得票を得たことはありません。その一方で、過去には中田英寿、稲本潤一、中村俊輔の3名がノミネートされました。2023年にはリオネル・メッシがアメリカのクラブ、インテル・マイアミCFに所属して受賞したことで、史上初めて欧州以外のクラブ選手がこの賞を手にしたことになります。

ポジションと受賞傾向

バロンドールは特に攻撃的な選手に有利な傾向があり、攻撃的ミッドフィールダーやフォワードが多く受賞しています。一方で、守備的なポジション（GKやDF）にはあまりチャンスが与えられず、これまでにDFではフランツ・ベッケンバウアーやファビオ・カンナバーロなど、GKではレフ・ヤシンが唯一の受賞者です。

イベントの特例

2019-2020シーズンには新型コロナウイルスの影響により、賞の授与が中止となったのも特筆すべき出来事です。このような事態に対して、公正な選考が難しいとして、初めてバロンドールが行われない年となりました。

まとめ

バロンドールは、サッカー選手の中で最も名誉ある賞として長い歴史を有し、世界中のファンや選手が注目しています。様々な背景や環境の変化を受けつつも、その評価基準や選考方針はサッカー界において影響を与え続けています。

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