バークレー・バックストン

バークレー・フォーエル・バックストンについて

バークレー・フォーエル・バックストン（1860年8月16日 - 1946年2月5日）は、明治時代に日本で宣教師として活動したイギリスの聖公会信者であり、非常に影響力のあった宗教指導者です。彼は聖霊の重要性を強調し、日本のクリスチャンたちに深い影響を与えました。彼が形成した「松江バンド」と呼ばれるクリスチャン集団は、日本の福音派の発展において重要な役割を果たしました。

生い立ちと教育

バックストンはエセックス州レイトンに生まれ、父親は成功した実業家でした。また、彼の祖父は政治改革に尽力し、英国の5ポンド札にも描かれている人物です。彼自身は1874年にハーロー校に入学し、その後1879年にはケンブリッジ大学トリニティ・カレッジに進学しました。在学中はテニスやクリケットでの活動も行い、1882年にはD.L.ムーディーの集会で神への献身を決めました。

初期の神職としての活動

1884年、彼はイタリアやエジプト、イスラエルを旅行した後、英国国教会の按手礼を受け、執事に任命されます。続けて、1885年には「きよめ」の経験をし、この年に英国国教会の長老に昇進しました。彼は1886年に建築家の娘と結婚し、家庭生活を持ちながら、信仰の道を歩むこととなります。

日本での宣教活動

バックストンは1890年にCMSミッションの一員として日本に来日し、松江市に活動の拠点を移しました。彼の自宅には修養道場を併設し、伝道活動や聖書講義を行いました。特に『赤山講話』として出版された聖書講義は、当時の信者たちに多大な影響を与えました。彼の元には多くの弟子たちが集まり、修養生活を送ります。特筆すべきは、エミー・カーマイケルがバックストンの指導の下で15ヶ月間滞在したことです。

伝道隊の設立と神学校の創立

1903年には日本伝道隊を設立し、バックストンがその総理となりました。日本伝道隊は神戸を拠点に活動を開始し、主要なクリスチャン集団や教育機関を育成しました。特に1907年には日本伝道隊聖書学校が設立され、これは後の関西聖書神学校の前身となります。

後年の活動と引退

バックストンは1913年から1917年にかけて再来日し、神戸聖書学校で教鞭を執り、多くの信徒の指導にあたりました。彼は1921年から1935年にはロンドン郊外で牧師としての生活を送り、講義を行いました。再び日本に戻ったのは1937年のことで、全国を巡り125回の講演を行った後、イギリスに帰国しました。

1946年2月5日、バックストンはイギリスで85歳で死去しました。彼の言葉や活動は、多くのクリスチャンに今なお影響を与え続けています。彼が育てた弟子たちや彼の教えは、今も日本の教会の基盤として存在しており、信仰の道を歩む多くの人々に勇気を与えています。彼の生涯を通じて、バックストンは真の信仰を追求し続けた人物であり、その遺産は語り継がれています。

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