バージニア地震

2011年バージニア地震の詳細

2011年8月23日13時51分（現地時間）、アメリカ合衆国バージニア州で発生したマグニチュード5.8の地震について解説します。

地震の概要

この地震は、バージニア州リッチモンドの北西約60kmに位置するミネラル付近を震源としました。地震の少ないアメリカ東海岸で発生したこと、首都ワシントンD.C.で93年ぶりに揺れが感じられたことで注目を集めました。バージニア州内では、1897年以来114年ぶりの規模の地震であり、ニューヨークなど比較的地震の少ない地域でも揺れが観測されました。

地震発生時、ワシントンD.C.では、地震だと認識できずに10年前の9.11同時多発テロを連想し、パニックに陥る人々もいました。中国新聞網は、この状況を「9.11並みのパニックが発生」と報道しました。

なお、この地震の約12時間前には、コロラド州北部でM5.3の地震が発生しています。

被害状況

この地震により、ノースアンナ原子力発電所の原子炉2基が自動停止しました。停電が発生したため、非常用電源で原子炉の冷却を継続。事態は、非常事態を示す4段階の水準のうち、下から2番目の「警戒」レベルに引き上げられました。ノースカロライナ州やニュージャージー州の原子力発電所でも揺れが観測されましたが、正常運転を維持し、影響はありませんでした。

建物の一部損壊や軽傷者は報告されていますが、大規模な損壊や重傷者は確認されていません。しかし、ワシントン大聖堂や議事堂など、著名な建造物の一部が損壊しました。

震源から135km離れたワシントンD.C.では、ホワイトハウスや連邦政府ビルなど多くの建物が一時閉鎖されました。ニューヨーク、ワシントン、フィラデルフィアの空港では、航空機の発着が約1時間半にわたり制限され、数万人に影響が出ました。鉄道網も寸断され、東部の主要都市を結ぶ路線やワシントン市内の地下鉄が運行を停止しました。震源から離れたワシントンD.C.やニューヨークの高層ビルでも揺れが感じられ、多くの人々が避難しました。

また、この地震の直後には、ハリケーン・アイリーンが東海岸地方を襲い、さらなる被害をもたらしました。

政府・企業の対応

地震発生当時、マサチューセッツ州に滞在していたバラク・オバマ大統領は、関係閣僚と電話で協議し、被害状況の報告を指示しました。アメリカ原子力規制委員会と電力大手ドミニオン・リソーシズは、ノースアンナ原子力発電所がM6.2までの地震に耐えられる設計であることを確認するため、詳細な調査を行いました。

関連情報

バージニア州
ノースアンナ原子力発電所

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