バージニア級戦艦

バージニア級戦艦は、アメリカ海軍が建造した戦艦の艦級であり、外洋での航海を可能とする設計が初めて採用された艦級として知られています。1906年から1907年にかけて5隻が就役し、その就役後にはグレート・ホワイト・フリートの一員として世界巡航に参加するなど、アメリカ海軍の戦力の中核を担いました。

本級の特徴の一つとして、二度目の航海時において、主砲塔上に副砲塔を設置する実験が行われたことが挙げられます。これは、主砲である12インチ砲塔の上に、副砲である8インチ砲塔を搭載するというもので、従来の小型砲塔の数を減らし、その分の重量を装甲の強化に振り向けるという、当時としては非常に意欲的な試みでした。しかしながら、この砲配置は、キアサージ級戦艦と同様に、射撃時の爆風が互いの砲撃に影響を及ぼし、射撃精度を著しく低下させるという問題点が明らかになり、実用的ではないと結論付けられました。

この実験は、本級のうち半分の艦艇に適用され、残りの艦艇には従来の小砲塔が装備されたままとなりました。この結果は、砲塔の配置における設計思想について、非常に重要な教訓をもたらしました。すなわち、単に砲塔の数を減らすだけでなく、その配置が射撃に与える影響も十分に考慮しなければならないということです。この経験は、後のアメリカ海軍の戦艦設計に大きな影響を与えたと考えられています。

バージニア級戦艦の就役は、アメリカ海軍の戦力増強に大きく貢献しました。その設計思想と実験結果は、後の戦艦開発に重要な示唆を与え、アメリカ海軍が世界有数の海軍へと発展する上で、重要な役割を果たしたと言えるでしょう。外洋航海を可能とした最初の戦艦として、また、実験的な砲配置を試みた戦艦として、バージニア級戦艦はアメリカ海軍の歴史において特筆されるべき存在です。

同型艦

バージニア (USS Virginia, BB-13)
ジョージア (USS Georgia, BB-15)
ニュージャージー (USS New Jersey, BB-16)
ロードアイランド (USS Rhode Island, BB-17)
コネチカット (USS Connecticut, BB-18)

関連項目

アメリカ海軍艦艇一覧

外部リンク

* Statistics

もう一度検索