バージンブルース

『バージンブルース』の概要

『バージンブルース』は、1974年に公開された日本の映画で、藤田敏八が監督を務めています。この作品は、東京で浪人生活を送る女子大生と中年男性との短い旅を通じて、彼らの心の葛藤や人間関係が描かれています。主なキャストには、秋吉久美子と長門裕之が名を連ねています。

あらすじ

物語の舞台は、東京の予備校に通う女子寮です。主人公の畑まみは、隣人である小林ちあきと共に、仲間たちとの集団万引きを繰り返していました。万引き中、彼女たちは従業員に見つかり、仲間たちが捕まる中でまみとちあきは辛うじて逃げ出します。逃げ込んだ知人のアパートでも居場所がなくなり、その日はダメ元で警察の目を避けながら、まみの実家へ帰ろうと決意します。

その道中、2人は再会した中年男性・平田洋一郎に出会います。彼は実はちあきが前に知り合った人であり、まみとちあきは彼に岡山まで金を借りようと提案します。すると、洋一郎は自ら出向いて岡山へ送ってくれることに。電車の中で孤立したちあきと洋一郎が会話している際に、まみの処女の状態が話題になります。それがきっかけで洋一郎は彼女に興味を抱き始めます。

岡山に着いた後、無事に金を受け取った2人は、それぞれの実家に帰るため別れます。しかし、洋一郎は気まぐれにまみの後を追い、同じバスに乗り込むことを決断します。最初は警察の目気にしながらも、まみの実家に泊まることを願い出ます。そこでまみは洋一郎に実家の様子を探ってもらうも、帰ることはできず、2人は倉敷市へ向かいます。

倉敷に到着したまみは、いとこの若者と会い、彼の劇団の合宿所に洋一郎と共に身を寄せることになります。しかし、劇団の仲間たちとの間にまみのことでトラブルが発生し、喧嘩にまで発展します。集団行動に疲れたまみは、洋一郎と共に宿屋に転がり込み、彼に心をほだされる形で肉体関係を持つことになります。

やがて、岡山の街をあてもなくさまよう中で2週間が経過した頃、偶然にちあきが警察に捕まるのを目撃します。衝撃を受けたまみは、その後の朝に洋一郎に別れを告げ、一人で海に向かって行くのです。

キャスト/スタッフ

本作では、主演に秋吉久美子と長門裕之を起用し、支援キャストには清水理絵、高岡健二、林ゆたかなど、多くの個性的な俳優たちが脇を固めています。監督は藤田敏八、脚本は内田栄一が担当しています。また、音楽には武川行秀やミッキー吉野が関わっています。

使用曲

本作には野坂昭如の主題歌『バージン・ブルース』や挿入歌『黒の舟唄』が使用され、物語の感情を深く掘り下げる重要な要素となっています。特に、主題歌はエンディング直前のシーンや、列車の移動シーンで流れ、視聴者に深い印象を与えます。

結論

『バージンブルース』は、若者たちの混乱や葛藤が描かれた作品であり、人生の中で直面する選択や人間関係の複雑性を考えさせるドラマが展開されます。万引きという行為を通じて明らかになる人々との絆や孤独感は、観る者に強く訴えかけるものがあります。

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