バースデー・ワンダーランド

バースデー・ワンダーランド

『バースデー・ワンダーランド』は、SIGNAL.MDによる日本のアニメーション映画で、2019年4月26日に全国256スクリーンで公開されました。本作は、誕生日を迎えた少女アカネが、異世界「幸せ色のワンダーランド」へと導かれ、冒険を繰り広げるファンタジー作品です。

概要

この映画は、累計発行部数50万部以上を誇る柏葉幸子の児童文学『地下室からのふしぎな旅』を原作としています。映画の監督は、数多くの受賞歴を持つ原恵一氏が務めています。彼は『映画クレヨンしんちゃん』シリーズなど、多様なアニメーション作品を手掛けています。
アート面では、ロシア出身のイリヤ・クブシノブがキャラクターや世界観のデザインを担当しており、彼の独特なスタイルが作品に色を添えています。監督は、クブシノブの画集に魅了された結果、彼にキャラクターデザインを依頼しましたが、最終的には彼が作品のほぼすべてのビジュアル要素に関与することとなりました。

声優陣には、松岡茉優さんが主人公アカネ、杏さんが叔母のチィ、麻生久美子さんがアカネの母、そして市村正親さんが錬金術師のヒポクラテス役を担っています。アカネ役の松岡さんは、過去にアニメ映画での声優を経験しているものの、主演は本作が初めてです。また、杏さんは監督の前作に続いての出演で、キャラクターは彼女を意識した当て書きで作られています。

ストーリー

物語は、アカネが誕生日の前日に骨董屋で出会った錬金術師ヒポクラテスと小人ピポから始まります。彼らはアカネに対して、異世界を救ってほしいと懇願しますが、彼女は自分に自信が持てず、最初は躊躇します。しかし、叔母のチィに後押しされ、アカネは異世界「幸せ色のワンダーランド」へと飛ばされます。

ワンダーランドでは、世界中の色が失われる危機が迫っており、アカネはその救世主として選ばれます。彼女と仲間たちは色を作る水を守るために、ワンダーランドの街を巡ります。しかし、悪役のザン・グとドロポがその水源を破壊する計画を企てているのです。アカネは自分の可能性を見出しながら、冒険を通じて成長していく姿が描かれています。

テーマソング

本作のテーマソング「THE SHOW」はオーストラリアのシンガーソングライター、レンカの楽曲のカバーであり、イメージソング「Wonderland」も含めてmiletが歌唱を担当をしています。映画の音楽は、怪しい美しさを際立たせ、視覚と聴覚の両方から観客を引き込みます。

制作背景

製作委員会は、多くの人に楽しんでもらえるエンターテインメント映画を目指しました。原監督は初めてのファンタジー作品に関して、キャラクターのリアリティを重視し、「ファンタジーの不思議な世界観に頼りたくない」と語っています。彼は、作品を通じて新たな世界観や登場人物、動物たちを提示し、観客に新鮮に感じてもらいたいと願っています。
なお、本作はアヌシー国際アニメーション映画祭2019の長編コンペティション部門にもノミネートされるなど、評価されています。

『バースデー・ワンダーランド』は、ファンタジーとリアリティが絶妙に融合した、視覚的にも聴覚的にも楽しめる魅力的な作品です。この映画は、家族や友人との鑑賞にも適した、心温まるストーリーを提供します。

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