バース星

バース星：緑の惑星の悲劇

バース星は、アニメ『宇宙戦艦ヤマトIII』に登場する、地球から1500光年離れた惑星です。冷涼な気候と針葉樹林に覆われたその地表は、地球と驚くほどよく似ています。大気組成や鉱物、植物の分布も地球とほぼ同じで、一見すると平和な独立国家「惑星国家バース」として存在していましたが、物語開始の10年前、ボラー連邦の保護国となりました。

ボラー連邦は、バース星を絶えず侵略の危機にさらされていたことから保護したと主張しますが、ヤマトの乗組員たちは、ボラー連邦による侵略と見ていました。実際、バース星はボラー連邦の囚人を収容する流刑地として利用され、森林や雪原には強制収容所や処刑場が点在していました。ビーム柵に囲まれた収容所には多数の囚人が監禁されていたのです。

バースの人々

バース星の住民は、緑色の肌以外は地球人と酷似しています。白色彗星帝国の人々と容姿が似ているとされますが、彫りの深い顔立ちや太い眉毛、天然パーマの栗色や茶色の髪など、明確な違いもあります。

彼らはボラー連邦人に虐げられることなく、軍や警備隊にも登用されています。ラジェンドラ号の艦長であるラムのように、バース星への忠誠心は深く、地球人に対しても友好的な態度を示しました。

バース軍

バース軍は、ボラー連邦から供与された戦艦で編成されていました。独自の軍服は帆船時代の船乗りを思わせるデザインです。彼らの忠誠心は故国バース星にあり、ラジェンドラ号は、地球からの修理や補給への恩義を重んじ、ガルマン・ガミラス艦隊の攻撃を受けても逃亡せず、轟沈したのです。礼儀を生命よりも重んじる彼らの行動は、印象的でした。

劇中での出来事

物語序盤、バース星艦隊はガルマン・ガミラス帝国と太陽系近郊で激戦を繰り広げます。惑星破壊プロトンミサイルの前に大敗を喫し、バース星自体も後にガルマン・ガミラス軍の攻撃を受けます。

唯一生き残ったラジェンドラ号は、地球（ヤマト）に助けられ、修理を受けますが、追撃してきたガルマン・ガミラス軍によって撃沈されてしまいます。この出来事が、ヤマトとガルマン・ガミラス帝国の全面戦争の引き金となるのです。

その後、ヤマトはバース星を訪れ、一時的に停泊を許可されます。しかし、ボラー連邦から送られた流刑者たちがヤマトを占拠するという事件が発生します。この事件をきっかけに、ボラー連邦首相ベムラーゼはヤマトを敵国とみなし、バース星に駐留するボラー艦隊はヤマトと交戦、全滅します。

ベムラーゼは、バース星を「醜い星」と罵り、多数の惑星破壊プロトンミサイルを発射。バース星は消滅し、多くのバース星の人々が犠牲となりました。ボラー連邦の圧政とガルマン・ガミラス帝国の侵略、そしてヤマトを巻き込んだ事件など、数々の出来事が複雑に絡み合い、バース星は悲劇的な最期を迎えたのです。緑豊かな惑星は、歴史の波に飲み込まれ、跡形もなく消えてしまいました。

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