バーズム

バーズムの概要

バーズム (Burzum) は、ノルウェーのブラックメタル・アンビエントプロジェクトで、主にヴァルグ・ヴィーケネス (Varg Vikernes) によって運営されています。1988年から音楽活動を開始し、1992年にはデビューアルバム『Burzum』をリリースしています。このプロジェクトは、ブラックメタルを代表する存在となり、特有の音楽スタイルで多くのファンを惹きつけました。

名前の由来

バーズムという名前は、J.R.R.トールキンの『指輪物語』に登場する国モルドールの架空言語に由来し、「闇」という意味の言葉に多様体を示す接尾辞を付けたものです。メンバー名であるカウント・グリシュナックも同作品に由来し、ヴィーケネスが使用するステージネームです。

音楽的スタイル

バーズムの音楽は、独自のボーカルスタイルやギターの歪み、反復的なフレーズが特徴で、北欧神話やトールキンの世界観が反映されています。重苦しさを持ちながらも独自の美学を創出し続けており、特に「プリミティブ・ブラックメタル」としての評価を受けています。初期のアルバムは意図的に音質を劣化させ、その不気味さと生々しさでリスナーを引き込んでいます。

メンバー構成

バーズムは、基本的にはヴィーケネス自身がすべての楽器を担当し、基本的に他のメンバーは存在しません。ただし、短期間ではいくつかのサポートメンバーが存在し、例えばサモス（Samoth）やユーロニモス（Euronymous）が一時参加していました。彼らはライヴに参加することはなかったため、バーズムのスタイルや音楽性はヴィーケネスのビジョンに強く依存しています。

歴史

バーズムの初期活動は1988年に始まり、1990年代初頭にウルク＝ハイからバーズムへとバンド名を変更しました。1994年にはヴィーケネスがメイヘムのギタリスト・ユーロニモスを殺害し、新聞に大きく取り上げられることとなります。収監中も音楽制作を続け、ダークなアンビエントアルバムを発表しました。

獄中活動

ヴィーケネスは1994年から2009年まで服役していましたが、期間中にアルバム『Dauði Baldrs』と『Hliðskjálf』を録音しました。これらの作品は、シンセサイザーのみを使用したアンビエント作品であり、彼のスタイルの変化を表しています。また、服役前の音源も含め、多くのアルバムがリリースされました。

釈放後の活動

2009年に釈放された後、バーズムは再始動し、2010年に『Belus』をリリースしました。このアルバムは多くのメディアで注目され、ヴィーケネスの復活を印象づけました。続けて新しいアルバムを発表し、2014年には『The Ways of Yore』がリリースされています。特に、ウェブサイトで公開された楽曲は、彼の新たなクリエイティブな方向性を示しています。

音楽的特徴

バーズムの楽曲は、一般的なメタルとは一線を画した特徴を持ちます。生々しいボーカルや心理的に重いフレーズが繰り返され、絶望的な気持ちが表現されています。その音楽は聴く側に深い印象を与え、多くのファンを持つ理由となっています。特に後期のアルバムではアンビエント要素が強くなり、楽器の持ち込みが制限された刑務所内での創作とも相まって、全く異なる作品作りへとつながっています。

総じて、バーズムは音楽の枠を超えた存在であり、その作品や活動は現在も多くのリスナーに愛され続けています。

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