バーゼル・ファスナハト

バーゼル・ファスナハト：スイス最大のカーニバル

スイス北西部の都市バーゼルで毎年開催されるバーゼル・ファスナハトは、スイス最大のカーニバルとして知られています。灰の水曜日の翌週月曜から3日間、街全体が祝祭ムードに包まれる、地元民にとって「一年で最高の3日間」と呼ばれる一大イベントです。開催時期は2月中旬から3月上旬と、まだ冬の寒さが残る時期に行われるのが特徴です。

幻想的なモルゲンシュトライヒから始まる3日間

カーニバルは月曜日の早朝4時、モルゲンシュトライヒと呼ばれる幻想的なパレードから始まります。まだ夜が明けきらない薄暗い中、約200個の灯篭が街を照らしながら行進します。街の灯りが消された闇に浮かび上がる灯篭の光と、ドラムとピッコロの音色が織りなす独特の雰囲気は、参加者だけでなく観衆をも魅了する、バーゼル・ファスナハトの象徴的な光景です。

メインパレード：ウィットに富んだ仮装行列

月曜と水曜の午後には、メインのパレードが行われます。1万人から1万8千人にものぼる参加者が、個性豊かなマスクを付け、カラフルな紙吹雪を舞い散らしながら街を練り歩きます。各グループは、その年の政治、社会、日常生活における話題をテーマに、ウィットとユーモアを効かせた仮装と、独創的な灯篭を作成します。これらのテーマは「スジェ（Sujets）」と呼ばれ、近年では地元の話題にとどまらず、国際的な問題も取り上げられるようになっています。参加者は年齢、国籍、社会的地位を問わず、お互いをファーストネームで呼び合うなど、カーニバル期間中は独特の平等な雰囲気が醸成されます。

グッゲンムジーク：独特の演奏スタイル

火曜日の夜には、グッゲンムジークと呼ばれるブラスバンドが街を練り歩きます。グッゲンムジークは、わざと音階を少し外して演奏する独特のスタイルが特徴です。その賑やかな演奏と、大聖堂前の広場で行われる灯篭の展示は、カーニバルの夜をさらに盛り上げます。

最高潮を迎える水曜日のパレード

水曜日の午後から始まるパレードは、夜にかけて最高潮を迎え、木曜日の早朝4時まで続きます。まだ寒い季節の中、カラフルな衣装を身にまとった人々が躍動する姿は、忘れられない光景です。期間中は街の至る所でパレードの行列に出会うことができ、バーゼル・ファスナハトの活気に満ちた雰囲気を肌で感じることができます。

まとめ

バーゼル・ファスナハトは、単なるカーニバルではなく、伝統と創造性が融合した、地域住民の強い一体感を示す一大イベントです。幻想的な灯篭のパレード、ユーモラスな仮装行列、そして独特の音楽隊など、見どころ満載の3日間は、訪れる人々に忘れられない思い出を刻み込むでしょう。 街全体が参加するこのお祭りを通して、バーゼルの文化と人々の温かさ、そして創造性を肌で感じることができるでしょう。

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