バートン・アイランド (砕氷艦)

バートン・アイランド（USCGC Burton Island, WAGB-283）の概要

バートン・アイランドは、アメリカの沿岸警備隊に属する砕氷艦で、ウィンド級砕氷艦の6番艦です。この艦はもともとアメリカ海軍に所属しており、艦名はデラウェア海岸近くの島から取られています。この艦の進水は1946年4月30日で、同年12月28日に正式に就役しました。

艦歴と南極観測への参加

バートン・アイランドは、1947年にアメリカ合衆国の壮大な南極観測計画「ハイジャンプ作戦」に参加するために出航しました。この作戦では、艦は主にロス海エリアでの観測活動を行い、南極の厳しい環境において物資を運び、研究者たちを支援しました。1947年7月には、アラスカのバロー岬へ向けた新たな遠征にも出発しています。

1948年から1956年までの間、バートン・アイランドは19回にわたり北極やアラスカを巡回し、オペレーション・ウィンドミルなどの任務を遂行しました。これらの任務には、物資の供給や流氷の観測、科学的な調査、水中爆破調査、そして船団護衛などが含まれていました。1949年には艦種がAGB-1に変更されています。

特筆すべきは、1958年にバートン・アイランドが氷に閉じ込められていた日本の初代南極観測船「宗谷」を救出したことです。この支援活動は国際的な連携の象徴でもあり、艦の重要な役割を示しています。

沿岸警備隊への移管とオペレーション・ディープ・フリーズ

1966年に海軍が所有する砕氷艦をすべて沿岸警備隊に移管した際、バートン・アイランドもその一員となり、WAGB-283の艦番号が付与されました。カリフォルニア州ロングビーチに設置された後、この艦は南極での様々な任務を引き続き遂行しました。

1970年代にはオペレーション・ディープ・フリーズに参加し、南極での補給艦艇への航路開削や科学調査、研究拠点の支援に従事しました。この間、複数回のオペレーションに参加し、艦は再び重要な役割を果たしました。特に1969年から1971年にかけてのオペレーションでは、艦の同行砕氷艦が航行不能になる事態もありながら、艦は長期間にわたり活動を継続しました。

最後の時期と退役

1977年半ばから1978年の5月9日まで、バートン・アイランドはカリフォルニア州アラメダに配備され、砕氷任務を最後に行いました。そして1978年5月9日に艦は退役しました。退役後、この艦は1980年にオークションにかけられ、最終的にレビン・メタルズ社に261,000ドルで売却されました。バートン・アイランドは1982年4月に廃棄されました。

結論

バートン・アイランドは、南極や北極における科学調査活動や国際的な支援の歴史の中で、非常に重要な役割を果たしました。その艦歴は、アメリカの海上活動と国際連携の重要性を象徴しています。

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