バート・キャンパネリス

デゴバート・キャンパネリス・ブランコの略歴と功績

デゴバート・キャンパネリス・ブランコ（Dagoberto "Bert" Campaneris Blanco、1942年3月9日生まれ）は、キューバのプエブロ・ヌエボ出身の元プロ野球選手であり、遊撃手およびコーチとしてのキャリアを持つ。彼は主にメジャーリーグベースボール（MLB）で活躍し、愛称は「キャピー」で知られ、同じくMLB選手だった従兄弟のホセ・カーデナルと共に知られる存在である。

経歴

キャンパネリスは1961年4月25日にカンザスシティ・アスレチックスと契約し、当初は捕手としてプレーしたものの、器用さから内野手にコンバートされた。1962年にはフロリダステートリーグでスイッチピッチャーとしても登板したことがあるが、スイッチヒッターではない。彼のMLBデビューは1964年7月23日のミネソタ・ツインズ戦であり、この試合では初打席で初本塁打を放っている。この記録は、数少ない選手に与えられる栄誉であり、彼はその中の一人である。

最も注目すべきは1965年に達成した、1試合で全ポジションを守るという珍しい記録である。この試合では、キャンパネリスは「1番・遊撃手」として先発出場し、回ごとにポジションを変えながらプレーした。試合中には1イニング投手として登板し、終盤に走者との衝突で負傷したものの、この記録は野球史に名を刻むこととなった。これ以降、彼は多くの記録を打ち立てた。

1965年には51盗塁で盗塁王のタイトルを獲得し、その後も1968年までに4年連続で50盗塁以上を記録している。特に1968年には自己最多の62盗塁を記録しており、この実績はリーグ最多177安打と共に彼の注目すべき成績となった。1969年にはMLB記録となる12試合連続盗塁を達成し、1970年には22本塁打を放っている。特に1972年には52盗塁を記録し、6度目の盗塁王を受賞した。

キャンパネリスは1974年にはワールドシリーズでの連覇に貢献し、通算1795試合出場、7180打数1882安打の記録を残した。1976年にテキサス・レンジャーズ、1979年にはカリフォルニア・エンゼルスに移籍。そして1983年にはニューヨーク・ヤンキースで復帰したが、41歳で現役を引退した。

引退後のキャリア

引退後、キャンパネリスはMLBでコーチ職を目指したが夢は叶わず、マイナーリーグで指導者としての経験を積む。最終的には日本の西武ライオンズで一軍守備・走塁コーチを務めることになった。1988年にはチームメイトとのトラブルが原因で日本を去ることになり、その後の彼の回顧には日本野球界に対する複雑な感情が込められていた。日本での経験は、当時の日本人選手たちにとっても貴重な教訓となった。

キャンパネリスは、野球界での偉大な功績を持つと同時に、文化の違う環境での適応や人間関係の難しさについても重要な経験を持つ選手である。彼の実績は今も語り継がれており、メジャーリーグや日本野球界におけるユニークな存在として記憶され続けている。

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