バーニング・クロス

バーニング・クロス：復讐の連鎖と隠された真実

『バーニング・クロス』は、2012年公開のアメリカ合衆国産クライムスリラー映画です。ジェームズ・パターソンの小説を原作とし、犯罪心理学の専門知識を持つデトロイト市警の刑事アレックス・クロスを主人公に、猟奇的な連続殺人事件の謎に迫る物語が展開されます。タイラー・ペリーがアレックス・クロスを熱演し、日本でも2013年に劇場公開、テレビ放映もされました。

物語は、アレックスが妻マリアとの間に3人目の子を授かり、FBIへの転職を検討している矢先に起こる、残酷な殺人事件から始まります。被害者は、フランス人実業家メルシエの会社重役であるファン・ヤオ。犯行現場に残された絵画から、次の標的がヌネマッカーであると推測したアレックスは、殺し屋との激しい銃撃戦に身を投じます。ヌネマッカーは救出に成功しますが、逆上した殺し屋は、アレックスの親友である刑事トミーの恋人、モニカを殺害。さらに、アレックスの眼前でマリアを射殺するという、痛ましい事件を引き起こします。

深い悲しみと怒りに燃えるアレックスとトミーは、殺し屋への復讐を誓います。警察は、次の標的であるメルシエの身辺警護を強化しますが、殺し屋は走る電車からロケット弾を発射するという大胆な手段で、メルシエとヌネマッカーを同時に殺害します。アレックスは激しい追跡劇の末、殺し屋を倒すことに成功しますが、彼の闘いはまだ終わっていませんでした。

アレックスは、殺し屋の背後に隠された真実に気づきます。殺されたとされるメルシエは、実は偽者であり、本物のメルシエは2008年の金融危機による金銭問題を解決するため、会社の金を横領。口封じのためにファン・ヤオとヌネマッカーを殺害し、自身も身代わりを殺して逃亡を図っていたのです。アレックスは、メルシエがアメリカと身柄引き渡し協定のない東南アジアの国に逃亡していることを突き止め、メルシエの愛人で薬物依存症のパラミタと取引。大量のコカインをメルシエの家に隠して現地警察に通報し、現地法に従って銃殺刑に処せられるように仕向けます。

事件解決後、アレックスはFBIへの転職を果たし、新たな人生を歩み始めます。彼の相棒であるトミーは、FBIへの入局書類をアレックスに手渡します。そして、アレックスは家族と共に新たな生活へと歩みを進めるのです。

キャスト

映画には、タイラー・ペリー（アレックス・クロス）、エドワード・バーンズ（トミー・ケイン）、マシュー・フォックス（ピカソ）、ジャン・レノ（ジル・メルシエ）など、実力派俳優たちが名を連ねています。それぞれの演技が、作品に深みと重厚感を与えています。

製作

『バーニング・クロス』は、モーガン・フリーマンが演じたアレックス・クロスシリーズのリブート作品として製作されました。脚本の開発には、ジェームズ・パターソン自身も関わっています。撮影はオハイオ州クリーブランドとデトロイトで行われ、マシュー・フォックスは役作りのため、厳しいトレーニングに励みました。

評価

Rotten Tomatoesでは支持率12％と厳しい評価を受けていますが、タイラー・ペリーとマシュー・フォックスの演技は高く評価されています。一方で、演出や脚本に改善の余地があったという意見も多く見られました。

この映画は、スリリングな展開と緊迫感あふれるアクション、そして復讐劇の重さを描いた、見応えのあるクライムサスペンス作品として、多くの人に記憶に残る作品となっています。

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