バーバリーシープ

バーバリーシープ（Ammotragus lervia）

バーバリーシープは、アフリカ北部に生息する独特な偶蹄類で、ウシ科に分類される唯一の種です。この動物は、一般的にタテガミヒツジと呼ばれることもあります。かつては、アフリカ大陸北部からパレスチナにまで広く分布していましたが、現在はスーダンやニジェール、モーリタニア、モロッコなどの限られた地域に生息しています。

分類と亜種

バーバリーシープは、以下の亜種に細分されます：

• - A. l. lervia（モロッコバーバリーシープ）：モロッコやアルジェリア、チュニジアに分布
• - A. l. blainei（スーダンバーバリーシープ）：スーダンおよびチャド北東部
• - A. l. ornata（エジプトバーバリーシープ）：エジプト（現在は絶滅の可能性あり）
• - A. l. saharensis（サハラバーバリーシープ）：アルジェリア南部

それぞれの亜種は、体の色彩や角の形状にいくつかの違いがあります。

形態

バーバリーシープは、体長130～165センチメートル、肩高はオスで90～112センチメートル、メスで75～90センチメートルです。体全体は短い硬い毛で覆われており、特に頸部から肩にかけてはやや鬣状の毛が特徴です。オスもメスも特徴的な湾曲した角を持ちますが、オスの角は長さ50～71センチメートルと比較的長いです。耳は細長く、先端が尖っており、表面にはぼんやりとした暗色の帯模様があります。

生態

主に標高950メートル以下の砂漠や岩場に生息し、昼間は岩陰や洞窟で休む薄明薄暮性または夜行性の生態が特徴です。通常、1頭のオスと3～6頭のメスからなる小さな群れを作りますが、時には20頭以上の大きな群れになることもあります。食事は主に草や木の葉、果物を食べる草食性です。

繁殖行動は非常に興味深く、繁殖期になるとオス同士で儀式的な闘争を行います。妊娠期間は150～165日で、主に9～11月に1～2頭の幼獣を出産します。飼育環境では、こちらのシープは15～24年の寿命を持つこともあります。

人間との関係

古くから、バーバリーシープは現地住民に食用や毛、皮として利用されてきました。しかし、干ばつや乱獲などの影響でその数は減少しています。エジプトでは1970年代に絶滅したと考えられていますが、アメリカではスポーツ・ハンティングを目的に導入され、カリフォルニア州やテキサス州、ニュー[[メキシコ州]]に定着しています。スペインやメキシコに移入された例がありますが、こちらは定着しないまま消えてしまったようです。

バーバリーシープは、そのユニークな生態と形態から自然環境の一環として重要な役割を持っていますが、持続可能な方法で保護されるべき動物です。

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