パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム

パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム (PPIHC)

パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム（PPIHC）は、アメリカ・コロラド州のパイクスピークで毎年7月4日の独立記念日前後に開催される自動車およびモーターサイクルのヒルクライムレースです。初開催は1916年で、アメリカのモータースポーツ大会の中でも、インディアナポリス500に次ぐ長い歴史を誇ります。レースは「雲へ向かって登るレース」または「ザ・レース・トゥ・ザ・クラウズ」として知られ、多くの挑戦者が集まります。

レースの概要

PPIHCは、アメリカで最も古いヒルクライムレースのひとつで、アメリカ自動車スポーツ協会（SCCA）によって公認されています。競技の舞台であるパイクスピークは、ロッキー山脈の一部で、標高4,301メートルに位置しています。この山は、1806年に探検家ゼブロン・パイクによって名付けられ、現在はアメリカ合衆国の天然記念物に指定されています。

レースは標高2,862メートル地点からスタートし、頂上まで1,439メートルの標高差を駆け上がります。コースは全長19.99キロメートルで、156のコーナーを含み、平均勾配は約7%です。山肌を走るコースは多くの場所でガードレールがなく、ドライバーには非常に危険な状況も伴います。

もともとはグラベル路面が多かったが、安全性を考慮されて2011年から全コースが舗装されています。自然条件も厳しく、スタート地点では晴れていても、頂上付近では雪やひょうが降ることもあります。このため、レースではマシンの設定が重要で、特に酸素濃度や気圧の変化に対応する必要があります。

レーススケジュールとクラス分け

レースのスケジュールは一週間にわたり、月曜日にはドライバーたちの親睦を深めるゴルフコンペが行われ、火曜日から木曜日までの3日間が予備予選に費やされます。予選は金曜日に行われ、週末の決勝で最終的な順位が決まります。

2023年現在、四輪車両は6つのディビジョンに分類され、特に強化されたエアロダイナミクスや他の仕様が特徴です。一方、二輪部門は2021年に廃止され、過去には数多くのクラス分けが存在していました。

過去の記録と日本勢の挑戦

PPIHCの全体記録は2018年にロマン・デュマが記録した7分57秒148で、エレクトリックビークルの成長が目を引きます。日本からも多くの選手が挑戦しており、1988年には初めて日本人が参加して以来、スズキやホンダなどが数々の挑戦を繰り返してきました。特に、2010年代からは電気自動車の参戦が目立ち、環境問題への配慮も影響しています。

日本のドライバーたちがさまざまなマシンで挑戦している中、特に際立った記録を持つ選手も多く、PPIHCは国際的な舞台としても注目されています。過去の参加者には俳優の哀川翔や著名なモータースポーツ選手たちが名を連ね、競技の裾野は広がっています。

終わりに

パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムは、単なるスピード競争ではなく、自然との闘いや技術の革新が試される場でもあります。毎年、多くの挑戦者が集い、世界中のファンを魅了するこのレースは、モータースポーツの中でも特異な存在感を放っています。

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