パウル・ファン・ケンペン

パウル・ファン・ケンペン（Paul van Kempen, 1893年5月16日 - 1955年12月8日）は、オランダ出身で主にドイツで活躍した指揮者です。

生い立ちと教育

1893年、オランダの南ホラント州、ズーテルヴァウデで生まれました。音楽家としての道を志し、アムステルダム音楽院に入学。作曲と指揮をユリウス・レントヘン、ベルナルド・ズヴェールスに師事しました。また、ヴァイオリンをルイ・ツィンマーマンから学び、音楽家としての基礎を築きました。

音楽家としてのキャリア（戦前）

音楽院卒業後、ファン・ケンペンはアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団に入団し、第2ヴァイオリニストとしてキャリアをスタートさせました。オーケストラの一員として経験を積む傍ら、指揮者としての才能も開花させていきます。1932年にはドイツ国籍を取得し、翌1933年に指揮者としてデビューを果たしました。その才能はすぐに認められ、1934年には名門オーケストラであるドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督に就任しました。第二次世界大戦中の1942年から1944年までは、ヘルベルト・フォン・カラヤンの後任としてアーヘン市立歌劇場の音楽監督を務め、その手腕を発揮しました。

第二次世界大戦後と晩年

第二次世界大戦終結後、ファン・ケンペンは活動の拠点を故郷オランダに移しました。しかし、戦時中にドイツ国防軍の慰問演奏会を行ったことなど、ナチス政権との関わりが問題視され、そのキャリアに影を落とすこととなりました。晩年は、過去の経歴による批判を受けながらも、音楽活動を続けました。1955年、アムステルダムで生涯を閉じました。

パウル・ファン・ケンペンは、その音楽的才能と実績にも関わらず、第二次世界大戦中の政治的状況によって評価が分かれる指揮者です。しかし、彼が残した音楽は、今もなお人々に感動を与え続けています。

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