パシスタ

パシスタとは

パシスタ（葡: passista）とは、リオデジャネイロのカーニバルで見られるソロのサンバダンサーを指します。特に、華やかな装飾や衣装を着た女性ダンサーが多く見受けられ、彼女たちはパレードの花形として観客の目を惹きつけます。しかし、単に外見が華やかであるだけでなく、パシスタには特有の技術が求められます。

パシスタの特長

日本で見聞きするパシスタのイメージは、タンガ姿で華やかな羽根を背負った女性ダンサーが一般的ですが、実際にはその定義は厳密です。パシスタは、細かなステップやダンスのジャンプ、さらに多様な表現力が必要とされる技巧派のダンサーです。ただ単に派手な衣装を身にまとっているだけではなく、サンバの基礎であるノペを正確に踏む能力が求められます。

技術の面では、パシスタはサンバショーのコレオグラフィーの一部ではなく、あくまで個々の表現力を重視し、アドリブや即興が加わるため非常に難度の高い踊りです。これに対し、羽根を多く背負うダンサーはパシスタとは見なされず、代わりに「ヂスタッキ・ヂ・シャゥン」という別の役割を担っています。

パシスタと他の役割の違い

パシスタと似た役割に「ハイーニャ・ダ・バテリア」がありますが、こちらは容姿を重視して選ばれる傾向があります。バテリアという打楽器隊の前や、その中で踊る役割で、技術的な側面はあまり重視されません。近年は著名人をハイーニャとして起用することが増えており、必ずしもサンバの技術を持つダンサーである必要はなくなっています。

近年のトレンド

エスコーラ・ジ・サンバ（以下エスコーラ）において、パシスタの役割や人数は次第に減少しています。現在、多くの場合、同じ衣装をまとった集団「アーラス・ダス・パシスタス」として一つのチームとしてまとめられることが一般的となっています。このトレンドは、パシスタの個性を強調しつつも、グループとしての一体感をもたらします。

男性パシスタの存在

日本人の中には、パシスタは女性のみで、男性はマランドロ（Malandro）と考えている方が多いですが、実際には男性のパシスタも存在します。女性のパシスタは「パシスタ・フェミニーナ」、男性のものは「パシスタ・マスクリーノ」と呼ばれます。マランドロがかかとで踊るのに対し、男性のパシスタはつま先で踊るスタイルを持っています。

カーニバルでの評価

毎年のリオのカーニバルでは、エスタンダルチ・ヂ・オウロ（Estandarte de ouro）という賞が設けられており、男女のパシスタが選ばれ、その魅力がメディアに取り上げられます。このように、パシスタはリオのカーニバルにおいて重要な存在であり、観客に楽しさと感動を与える役割を担っています。彼女たちの舞踏は、サンバの伝統とエネルギーを象徴しています。

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