パチニ小体

パチニ小体の概要

パチニ小体（パチニしょうたい）は、主に皮膚や内部臓器に存在する機械受容体の一種で、圧力や振動を感じ取る能力を持っています。この受容体はイタリアの解剖学者フィリッポ・パチニにちなんで名付けられ、さらにファーター・パチニ小体やファーター・パチニ層板小体とも呼ばれます。これらの名称は、彼が発見したことに加え、アブラハム・ファーターとの関連からつけられています。

位置

パチニ小体は、特に腸間膜や膵臓近く、あるいは関節周辺で多く見られます。その位置はルフィニ終末と同様に皮膚の深い部分に存在し、迅速適応受容体として知られています。これにより、環境の変化に対して迅速に反応することができます。

構造

パチニ小体は、その構造においても特長があります。サイズとしては約1mmの卵形であり、他の機械受容体と比べて大きく、個数は少なめです。全体が結合組織層に包まれており、20から60層の同心円状の薄層から構成されています。これらの薄層はシュワン細胞によって形成された、非常に薄く平坦なもので、内部には流体が満たされた腔が存在します。この腔に求心性無髄神経の終末が接続されています。

機能

パチニ小体の主な機能は、圧力や振動の変化を感知することです。特に振動に対して非常に敏感であり、1cm離れた刺激でも感じることができます。パチニ小体では、小さな形状変化が軸索膜に対する張力を生じさせ、これに伴いナトリウムインの透過性を持つ機械受容チャネルが開き、受容器電位が発生します。この受容器電位が閾値を超えると、電位依存性ナトリウムチャネルが開き、最終的に活動電位が生成されます。

さらに、パチニ小体は、刺激に対して非常に迅速に反応します。これは、結合組織の層が多いため、皮膚をギザギザのように動かした際には反応しますが、持続的な圧力には応答しない特徴があります。つまり、パチニ小体は急激な圧力変化に対してのみ敏感に反応するのです。そのため、物体が移動する際の急激な変化をキャッチすることに特化しています。

参考文献

• - Kandel E. R., Schwartz, J. H., Jessell, T. M. (2000) Principles of Neural Science, 4th ed., p. 433. McGraw-Hill, New York. ISBN 0-8385-7701-6.

外部リンク

• - Virginia Commonwealth University

このように、パチニ小体は皮膚認知における重要な役割を果たし、人間の感覚機能に不可欠な構造です。

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