パックピクス

2005年 3月10日にナムコ（現：バンダイナムコエンターテインメント）からニンテンドーDS向けに発売された、独創的なゲームソフト。DSのタッチスクリーン機能を最大限に活用し、「描いた絵が生命を得て動き出す」という、当時としては画期的なゲーム体験を提供しました。

ゲームの特徴

本作の核となるのは、プレイヤーがタッチペンで画面に絵を描き、それを操作してゲームを進めるという点です。基本ルールは、プレイヤー自身が描いたパックマンを操り、ステージ内にいるゴーストたちを食べ尽くすこと。しかし、単にパックマンを描くだけではなく、ゲーム中には様々な「ジェスチャー」が登場し、これらを活用することが攻略の鍵となります。

ジェスチャー

ゲーム中で使用できる特殊なアクションは「ジェスチャー」と呼ばれ、特定の図形を正しい描き順で描くことで実体化します。描き順を間違えるとジェスチャーは発動しません。

パックマン：ゴーストを食べるための最も基本的なジェスチャーです。ステージごとに描ける回数に上限が設けられています。タッチペンで押さえている間はパックマンは静止し、パックマンの前方に線を引くことでその方向に移動させることができます。
矢：相合傘のような形を描くと直線的に飛んでいくジェスチャーで、チャプター5から登場します。どの方向にも放つことができ、スイッチを押したり、宙に浮かぶゴーストを落としたりするのに使用します。
爆弾：チャプター9から使用可能になるジェスチャーで、鎧やシェルターといった障害物を破壊する際に有効です。

ゴースト

パックマンが退治すべき相手であるゴーストたちも、それぞれに個性的な特徴を持っています。

ピンキー：初代『パックマン』にも登場するキャラクターをモデルにした、愛らしい外見の一般的なザコ敵です。
ブルル：短時間ですが、非常に素早く逃げ回る特性を持つゴーストです。
ベロベロ：長い舌が特徴で、瞬間移動の能力を持ちますが、使用後は一時的に目まいを起こします。
バリベエ：前方にバリアを張っており、チャプターが進むにつれて数が増えたり素早くなったりと、プレイヤーを悩ませることが多い敵です。
バリベエタ：BOOKⅡから登場するバリベエの強化版で、オリジナルよりもさらに逃げ足が速くなっています。
スージーズ：複数体で一体を成す特殊なゴースト。腹部に書かれた数字の順に食べなければすぐに復活してしまう厄介な存在で、中には別の場所に離れている個体もいます。
ペペタ：ページ上に泥を撒き散らしたり、投げつけたりしてくるゴースト。泥の上には一時的に絵を描くことができなくなります。
泡：ゴーストが中に入って浮かんでいる状態。矢を当てることでゴーストを下に落とすことができます。
アーマー：一部のゴーストが身に着けている鎧。側面には様々な表情のような模様が描かれています。

ボス

偶数チャプターの最終面に登場する強敵たちです。ボス戦開始時にはゴング音と共に「FIGHT!」の文字が表示されます。倒すと多量のスコアを獲得できます。

デカデッカン：チャプター2、6、10に登場。初期は巨大で、自分より大きなパックマンでなければ弾かれてしまいます。食べるごとにさらに巨大化し、3回食べることで撃破。チャプター6では風船と泡、チャプター10ではアーマーを纏って登場し、それぞれ異なる攻略法が必要です。
アロハー：チャプター4のボス。ナメクジのような姿で、紙の裏側から攻撃してきます。体が弱点で、複数回食べるごとに生えている葉が減少し、最終的に小さくなった本体を倒します。
ゴーストハウス：チャプター8のボス。古びた洋館の姿をしており、小さなゴーストや爆弾を吐き出します。屋根が弱点で、爆弾を吐いている間に矢で屋根を複数回攻撃することで破壊し、本体を小さくして倒します。
インクマスター：最終チャプター12に登場するラスボス。形を持たないインクの塊のようなゴーストです。爆弾で本体を押し上げ、上から降るインクの塊を避けながら、下画面のインクを全て食べると弱点が出現します。これを複数回繰り返すことで撃破となります。

アイテム・障害物

ステージ攻略を助けたり、行く手を阻んだりする様々な要素があります。

フルーツ：一定数のゴーストを倒すと出現し、高得点が得られます（チェリー、ストロベリー、オレンジ、メロン）。
1UP：フルーツと同様の条件で出現し、パックマンの残り数を増やします。
鍵スイッチ：パックマン、矢、爆弾などで押すことで、アイテムロードへの道が開かれます。時間経過で元に戻るものや、シェルターに入っていて破壊が必要なものもあります。
プッシュスイッチ：足跡マークのスイッチ。パックマンや特定のゴーストが踏んでいる間だけ有効になり、一部のブロックを消すことができます。
グループスイッチ：ステージ内に複数設置されており、全て押すことで特定のブロックが消えるなど、新たな道が開けます。
ファイアスイッチ：これを押すことでろうそくに火がつき、爆弾を爆破できるようになります。
ミラー：矢の軌道を反射させる特殊なアイテム。微調整によって思わぬ方向に矢を進めることができます。
ブロック：カラフルなジグソーパズルのピースのような障害物。パックマンは当たると跳ね飛ばされてしまい、間に挟まれると場外に出されてしまいますが、ゴーストはすり抜けることができます。
シェルター：障害物の一つ。中にゴーストやスイッチが隠されており、爆弾で破壊することで中身を取り出せます。

その他の要素

ギャラリー：本編で見たムービーやジェスチャーの解説を閲覧できます。また、集めたカードを確認したり、自由にジェスチャーの練習ができるスケッチブックも用意されています。スケッチブックでは、本編では描けない隠しジェスチャーを描くことも可能です。
BOOKⅡ：チャプター12をクリアすると出現する高難易度モード。ゴーストのスピードアップや制限時間の減少、新たな敵「バリベエタ」の登場、さらにはオリジナルとは構成が大きく異なるステージも含まれます。
BGM：いくつかのグループに分かれており、チャプター1～4、5～8、9～11といった形で共通のBGMが使用されています。チャプター12のみ、特別なオリジナル曲が流れます。
* 初回購入特典：発売当時は、ゲーム内アイテムとしても登場する「魔法のペン」を模した特製タッチペンが付属しました。これはDS本体付属のものより持ちやすく、好評を得て、後の作品でも同様の特典が登場しています。

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