パックマンバトルロイヤル

パックマンバトルロイヤル

『パックマンバトルロイヤル』（PAC-MAN BATTLE ROYALE）は、株式会社バンダイナムコゲームス（後に株式会社バンダイナムコアミューズメントへ事業継承）によって開発・販売され、2011年3月より全国のアミューズメント施設に登場したアーケードゲーム機です。

概要

本タイトルは、『パックマン』シリーズ生誕30周年を記念するプロジェクトの一環として開発が進められ、その存在は2010年3月にアメリカ・ラスベガスで開催されたアミューズメントエキスポにて初めて明らかになりました。ゲーム機本体はテーブル型のデザインを採用していますが、プレイヤーは着席せず、立った状態でゲームをプレイするスタイルとなっています。最大の特徴は、対面に配置された操作パネルを利用し、同時に4人までのプレイヤーが参加できる白熱した対戦プレイに対応している点です。1回のプレイ料金で4人全員が参加できるシステムも採用されていました。

ゲームシステム

プレイヤーは、それぞれ異なる色分けがされた（黄色、ピンク、青、赤）4体のパックマンから1体を選んで操作し、迷路内を移動します。ゲームの舞台となる迷路の構造は、競技性の高いデザインで人気を博した『パックマン チャンピオンシップ エディション』に類似していますが、本作では、最後まで生き残るパックマンが1体になるまで、迷路の配置が大きく変化することはありません。

基本的なルールとして、迷路内を徘徊するゴーストに触れてしまうと、従来のシリーズと同様にミスとなり、ゲームオーバーとなります。

しかし、迷路内に配置されたパワークッキーを獲得すると、プレイヤーのパックマンは一定時間巨大化し、強力な状態へと変化します。この巨大化状態では、通常プレイヤーにとって脅威となるゴーストを追い払えるだけでなく、他のプレイヤーが操作するパックマンが恐怖で青ざめた「イジケ状態」になっている場合に、彼らを捕食して脱落させることが可能になります。

また、自身のパックマンが他の巨大化パックマンに追われてイジケ状態に陥ってしまった場合でも、迷路内に残っているパワークッキーを素早く獲得することで、元の色に戻り、さらに自身も巨大化して反撃のチャンスを得ることができます。

ゲームは、他のプレイヤーを脱落させ、自身が最後まで迷路内に生き残ることを目指します。この「最後の生き残り」となった回数を各ラウンドごとにカウントし、設定されたラウンド終了後、最多回数を記録したプレイヤーが総合的な勝者となります。

歴史とサポート終了

2011年の稼働開始以降、最大4人対戦というユニークなゲーム性で多くのプレイヤーに楽しまれましたが、残念ながら、本ゲーム筐体に使用されている一部の部品の入手が困難となったため、メーカーであるバンダイナムコアミューズメントは2019年3月末をもって、本機の修理サポートを終了することを発表しました。これにより、部品故障した筐体の維持が難しくなり、多くの店舗から姿を消すこととなりました。

関連作品

『パックマンバトルロイヤル』と同様に、複数のプレイヤーが対戦する形式の『パックマン』としては、ニンテンドーゲームキューブ向けにリリースされた『パックマンvs.』などが存在します。これらは異なるゲームシステムを持ちながらも、複数人でパックマンの世界を楽しむという共通点を持っています。

アーケードならではの賑やかさと、シンプルなルールながら奥深い駆け引きが魅力の対戦ゲームとして、短い期間ではありましたが多くのプレイヤーに強い印象を残した一作と言えるでしょう。

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