パトリック・コリソン

パトリック・コリソン：決済革命を牽引するアイルランドの俊英

パトリック・コリソンは、1988年9月9日、アイルランドのティペラリー県ドロミニアで生まれました。微生物学者の母リリーとエンジニアの父デニスの間に、3人兄弟の長男として育ちました。幼少期からコンピューターに強い関心を持ち、8歳でリムリック大学のコンピューターコースに通い始め、10歳でプログラミングを習得するという、早熟な才能を発揮しました。

若き日の才能開花

2005年、16歳にして、パトリックはBTヤング・サイエンティスト・コンペティションという、学生向けの科学コンテストで優勝を果たしました。彼のプロジェクトは、LISPに似たプログラミング言語「Croma」の開発でした。この時点で、彼のプログラミングへの情熱と並外れた才能はすでに際立っていました。

オークトマティック：起業家としての第一歩

マサチューセッツ工科大学（MIT）に進学したものの、パトリックは起業への情熱を抑えられず、2009年に退学します。2007年には、弟のジョン・コリソンと共に、アイルランドのリムリックでソフトウェア会社「Shuppa」（アイルランド語で「店」を意味するsiopaに由来）を設立しました。しかし、アイルランドの経済開発省庁からの出資が得られなかったため、シリコンバレーのYコンビネータに注目され、拠点をカリフォルニアに移しました。

カリフォルニアでは、パトリックはオックスフォード大学出身の2人の起業家と合流し、会社名を「オークトマティック」に変更しました。オークトマティックは、eBayのオークションを管理するソフトウェアでした。2008年3月の聖金曜日、19歳だったパトリックと17歳のジョンは、オークトマティックをカナダのライヴ・カレント・メディア社に売却し、一夜にして億万長者となりました。その後、パトリックは同社のエンジニアリング担当ディレクターとしてバンクーバーに移り住みました。

ストライプ：決済インフラの革新

2010年、パトリックは弟のジョンと共に、オンライン決済プラットフォーム「ストライプ」を設立しました。ストライプは、ウェブサイトやモバイルアプリケーションでオンライン決済を簡単に導入できるAPIを提供し、世界中の企業がグローバルにビジネスを展開する上で不可欠なインフラとなっています。

2011年には、PayPalの共同設立者であるイーロン・マスクとピーター・ティール、ベンチャーキャピタルのセコイア・キャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツ、SVエンジェルから200万ドルの出資を受け、ストライプは急成長を遂げました。

2016年11月には、キャピタルGとジェネラル・カタリスト・パートナーズからの投資により、ストライプの時価総額は92億ドルと評価されました。この結果、コリソン兄弟はそれぞれ11億ドル以上の資産を持つことになり、相続によるものを除き、世界で最も若いビリオネアとなりました。

ストライプは、その革新的な技術と使いやすいAPIにより、多くの開発者から支持されており、オンラインビジネスの成長に大きく貢献しています。パトリック・コリソンは、ストライプのCEOとして、決済業界の未来を形作り続けています。

参考文献

公式ウェブサイト
パトリック・コリソン (@patrickc) - X（旧Twitter）
* パトリック・コリソン (@patrickcollison) - Instagram

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