パトリック・マシアス(Patrick Macias、1972年 - )は、
アメリカ合衆国の著作家であり編集者です。彼は特に、日本の
アニメ、マンガ、
特撮といった
サブカルチャーに関する分野で幅広い活動を展開しています。
生い立ちと日本文化との出会い
カリフォルニア州サクラメントで生まれたマシアスは、6歳の時に
アニメ『Star Blazers』(アメリカで独自に編集された『
宇宙戦艦ヤマト』)を観たことがきっかけで、日本の文化、特にオタク文化に強い興味を持つようになりました。1980年代にアメリカで放送された日本の
特撮映画や
アニメからも多大な影響を受け、「日本はきっと素晴らしい国に違いない」と確信するようになった彼は、
サクラメントの仏教寺院で日本語の学習を始めました。
キャリアの始まり
19歳で
サンフランシスコに移り住んだマシアスは、タウン誌で映画批評の執筆を開始します。その後、1997年に日本のマンガの英語版出版を手がける
ビズメディア(VIZ Media)に入社し、ライター兼エディターとして活躍しました。
代表作『オタク・イン・USA』
マシアスの代表作として知られるのが『オタク・イン・USA―愛と誤解のAnime輸入史』です。この作品は、アメリカにおける日本
アニメやマンガのブームを、「アメリカ人も
アニメや漫画が好きなんですよ」というテーマのもと、オタクならではのマニアックな視点と豊富な情報量で詳細に解説しています。アメリカでの日本ポップカルチャー受容の歴史を深く掘り下げた内容で、多くの読者の支持を得ました。この著作は、アメリカ在住の映画評論家である
町山智浩との共同作業によって完成され、町山は日本語翻訳も担当しています。
その他の活動
2010年から2013年にかけては、
K'z Stationのインターネット配信番組『Otaku-Verse-Zero』で声優の
浅川悠と共演しました。現在は、出版社jaPressの共同所有者であるとともに、雑誌『Otaku USA』の編集長を務めています。
著作一覧
Fresh Pulp: Dispatches from the Japanese Pop Culture Front (1997-1999)(VIZ Media LLC、1999年)
Japan Edge: The Insider's Guide to Japanese Pop Subculture(VIZ Media LLC、1999年)
TokyoScope: The Japanese Cult Film Companion(VIZ Media LLC、2001年)
Anime Poster Art: Japan's Movie House Masterpieces(DH Publishing、2003年)
Cruising The Anime City: An Otaku Guide To Neo Tokyo(
町山智浩との共著 Stone Bridge Pr、2004年 )
オタク・イン・USA―愛と誤解のAnime輸入史[単行本](
町山智浩編・訳、
太田出版、2006年)
Japanese Schoolgirl Inferno: Tokyo Teen Fashion Subculture Handbook( Chronicle Books LLC、2007年)
オタク・イン・USA―愛と誤解のAnime輸入史(
町山智浩編・訳、
ちくま文庫、2013年)
パトリック・マシアスは、日本とアメリカの文化交流の架け橋として、その情熱と知識をもって貢献し続けています。