パトルイユ・スイス

パトルイユ・スイスの概要

パトルイユ・スイス（仏：Patrouille Suisse）は、スイス空軍に所属する曲技飛行隊です。1964年に空軍創設50周年を記念して設立され、その特徴的な飛行演技とカラフルな機体塗装で多くのファンを魅了しています。最初はホーカー・ハンター戦闘機を使用していましたが、その後F-5EタイガーII戦闘機に機種転換し、現在の赤と白のスイス国旗をイメージした塗装が施されています。

沿革

パトルイユ・スイスの活動は1964年に始まり、当初は地味な塗装の戦闘機であったものの、1995年の機種転換を契機にその外観が大きく変わりました。以降、赤と白のシンプルながらも力強いデザインを採用し、スイスの象徴としての存在感を誇示しています。パトルイユ・スイスは、その後の約半世紀にわたり、多くの展示飛行を行い、ヨーロッパでの航空ショーでも高い評価を受けています。特に、演技のスタイルはヨーロッパとアメリカの要素を融合させており、観客を楽しませる内容に仕上がっています。

チーム編成

パトルイユ・スイスは通常、パートタイムのチームとして編成され、シーズン中に集中的に活動します。メンバーが訓練に参加するのは2週間に1回の月曜日のみで、恒常的にF-5を操縦するパイロットはおらず、全員がF/A-18のパイロットで構成されています。この独特の体制にもかかわらず、パトルイユ・スイスは2016年以前には事故を起こすことなく、安全に活動を続けてきました。年間約20回の飛行展示を行い、ヨーロッパ各地を飛び回って魅力的なパフォーマンスを披露しています。

使用機体

パトルイユ・スイスで使用される航空機は、基本的にF-5EタイガーII戦闘機で、特に展示飛行ではその優れた機動性を活かした演技が楽しめます。チームには複数の機体が配備されており、以下の機体が使用されています：

• - J-3081
• - J-3083
• - J-3084
• - J-3085
• - J-3086
• - J-3087
• - J-3089（予備機）
• - V-622 "Felix"（ピラトス PC-6 輸送機）

不祥事と問題

パトルイユ・スイスはその華やかなパフォーマンスの裏で、いくつかの不祥事も経験しています。2019年7月、オスカー・ビーダー没後100年の記念式典での展示飛行が予定されていたにもかかわらず、誤って別の場所で展示飛行を行い、騒動となりました。また、2023年6月には訓練中に機体同士の接触が発生する事故があり、一部の機体が損傷する事態となりましたが、幸運にも墜落は免れ、全機無事に着陸を果たしました。しかし、この事故により住民が負傷し、民家にも被害が生じたため、チームは安全対策の再検討を余儀なくされています。

総じて

パトルイユ・スイスは、その独特の活動と美しい演技によって観客の心を掴み続けており、スイス空軍の一翼を担う存在として重要な役割を果たしています。今後も多くのイベントでの展示飛行が期待されており、その成長と変化に注目が集まっています。

もう一度検索