パドヴァ

パドヴァ

概要

パドヴァ（イタリア語：Padova）は、イタリアのヴェネト州に位置し、約21万人の人口を持つ基礎自治体です。この都市はパドヴァ県の県都であり、経済や通信の重要な中心地となっています。ヴェネト州内では第三位の人口を有し、ヴェネツィアとその周辺を含むパドヴァ＝ヴェネツィア都市圏全体ではおよそ160万人の人々が生活しています。

名称

パドヴァは、地域により異なる名称でも知られています。ヴェネト語では「Pàdoa」と呼ばれ、英語では「Padua」と表記されます。日本語文献では「パドヴァ」、「パドバ」、「パードヴァ」など様々な表記が見られ、英語由来の「パドゥア」、ヴェネツィア語由来の「パドア」とも言われています。

地理

位置と広がり

パドヴァは、バッキリョーネ川のそばに位置し、周辺の都市であるヴィチェンツァやヴェネツィアからそれぞれ約31km、34kmの距離にあります。北側にはロヴィーゴがあり、そこからは38kmの距離です。

地勢

かつてブレンタ川が流れ、今でも市の北部をわずかにかすめています。農業はヴェネツィア平野で盛んに行われており、南西側にはエウガネイ丘陵があります。市内にはアーケードに囲まれた通りや多数の橋があり、古代の城壁や川の支流に沿っています。

気候分類

パドヴァは、イタリアの気候分類においてzona Eに属し、地震のリスクは比較的低いzona 3に位置付けられています。

歴史

古代と古代後期

パドヴァは北イタリアにおいて古くからの都市として知られ、伝説では紀元前1183年にトロヤ王子アンテノールによって建設されたと言われています。古代には、共和政ローマ下で「パタウィウム」として知られ、アドリア・ヴェネティ人が住んでいました。以降、パドヴァは多くの支配者に翻弄されつつ、地域の宗教的な中心地として成長しました。

中世とルネサンス

12世紀には市民が独立する動きを見せ、有力な貴族が台頭。パドヴァ大学が1222年に創立され、学術の中心地として名声を高めました。カッラーラ家の支配時代には、多くの美しい建築物も建立されました。1405年にはヴェネツィア共和国に降伏し、その支配のもとでパドヴァは繁栄を経験します。

近代と現代

1797年にはオーストリアに割譲され、のちにイタリアに併合されました。ここでの歴史は、特に第一次世界大戦と第二次世界大戦を通じて、社会・経済の大きな変動を経験しました。戦後、パドヴァは再び発展の時代を迎え、現在では富裕な地域となっています。

名所

• - ドゥオーモ: 地元の重要な教会。
• - ラジオーネ宮殿: ルネサンス様式のタウンホール。
• - プラート・デッラ・ヴァッレ: 広大な広場で、多くの彫刻を有する小島が特徴的です。
• - オルト・ボタニコ: 世界最古の植物園としてUNESCOの世界遺産に登録されています。
• - サンタントーニオ聖堂: 市内最重要の教会。毎年行われる聖アントニオ祭は有名です。

経済と文化

パドヴァは工業地帯の発展が著しく、ヨーロッパの物流の大動脈とも称される地位を確立しています。また、文学と美術の分野でも多くの著名な人物を輩出しており、特にパドヴァ大学が国際的に評価されています。

交通

パドヴァは交通の要所であり、高速道路や鉄道が整備されています。公共交通機関としては、バスやトラムが市内を走り、便利な移動が可能です。空港も近隣に存在するため、観光地としてのアクセスも良好です。

姉妹都市

パドヴァはフランスのナンシーやアメリカのボストンなど、複数の都市と姉妹提携を結んでいます。これにより国際的な交流を深めています。

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