パパ・レジェーナ

パパ・レジェーナ：ラテンアメリカの伝統コロッケ

パパ・レジェーナは、ペルー、コロンビア、キューバ、プエルトリコをはじめとするラテンアメリカ諸国で広く愛されている、ジャガイモをベースにしたコロッケです。その歴史は、スペインによるアメリカ大陸征服時代にまで遡り、北アフリカ出身の奴隷たちが持ち込んだ調理法が起源と言われています。ひき肉を使った詰め物が特徴で、各地域で独自の工夫が凝らされ、多様なバリエーションが存在します。

ペルー風パパ・レジェーナ

ペルーでは、ジャガイモを主材料とした生地に、みじん切りにした牛肉や玉ねぎ、オリーブ、ゆで卵などを加え、クミンなどのスパイスで風味を豊かに仕上げます。生地には、粘りを出すためにジャガイモ粉を加えることもあります。楕円形に成形した後、油で揚げてカリッと香ばしく仕上げます。出来上がったパパ・レジェーナには、サルサやアヒーなどのソースを添えていただくのが一般的です。

キューバ風パパ・レジェーナ

アメリカ合衆国、特にキューバ系住民が多いマイアミやタンパなどの都市では、キューバ風パパ・レジェーナが地元料理として人気です。キューバ版は、ポテトボールの中に、味付けされたピカディージョ（細かく刻んだ野菜や肉を炒めたもの）を詰めて揚げるのが特徴です。

プエルトリコ風パパ・レジェーナ

プエルトリコでは、「レジェノ・デ・パパ」と呼ばれ、ペルーやキューバとは異なる調理法が用いられます。まずジャガイモを茹で、マッシュしたジャガイモに卵、コーンスターチ、牛乳、バターなどを混ぜ合わせます。そこに、チーズやピカディージョ、あるいは好みの肉などを詰め、卵液で包み込み、パン粉をまぶして揚げます。さらに、ジャガイモの代わりに、甘いプランテンやパンノキを使用することもあります。

パパ・レジェーナの多様性

このように、パパ・レジェーナは、基本的な材料や調理法は共通していますが、それぞれの地域で独自の工夫が加えられ、多様なバリエーションが存在します。使用する肉の種類やスパイス、ソースなど、地域性や家庭によって異なる独自のレシピが受け継がれており、ラテンアメリカの豊かな食文化を象徴する料理と言えるでしょう。

まとめ

パパ・レジェーナは、歴史と文化が凝縮された、ラテンアメリカを代表するコロッケです。素朴ながらも奥深い味わいと、地域ごとの多様なバリエーションは、食通を魅了してやみません。機会があれば、ぜひ本場の味を味わってみてください。様々なレシピが存在しますので、自分好みのパパ・レジェーナを見つけるのも楽しいでしょう。

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