パフェちっく!

『パフェちっく!』は、漫画家ななじ眺が手掛けた日本の恋愛漫画作品です。集英社の漫画雑誌『マーガレット』にて、2000年9号から2007年13号にかけて連載されました。女子高生が二人の魅力的な男性の間で揺れ動く複雑な恋模様を描き、多くの読者を惹きつけ、2018年3月時点で電子版を含め累計発行部数は500万部を突破する大ヒットとなりました。

物語の展開

物語は、明るく元気な主人公、亀山風呼の高校生活から始まります。ごく普通の女子高生である風呼のアパートの上の階に、ある日突然、いとこ同士の男性二人が引っ越してきます。一人は生徒会長を務めるクールで知的な新保壱、もう一人は明るく親しみやすく女性に人気の新保大也です。対照的ながら魅力的な二人の男性との出会いが、風呼の日常を大きく揺り動かしていきます。

最初は優しく女性の心を惹きつける大也に強く惹かれていった風呼でしたが、告白は失敗に終わります。失恋で落ち込む風呼を優しく慰める壱。共に時間を過ごすうちに、二人の距離は急速に縮まっていきます。まだ大也への想いを完全に断ち切れていない風呼に対し、壱は自身の正直な気持ちを告白します。一度はその想いを断った風呼ですが、文化祭での出来事を機に、自身の中に芽生えた壱への特別な感情に気づき、二人は心を通わせ、両想いとなります。しかし、壱の過去の想い人である伊織恵の存在が二人の関係に影を落とします。

伊織を気にかける様子の壱に対し、不安を募らせた風呼は、ついに別れを告げます。傷つき涙する風呼を支え、元気づけようとしたのは大也でした。風呼を笑顔にしたい一心で、大也は風呼と積極的に関わるようになります。そんな中、大晦日に壱は伊織との関係に終止符を打ちます。そして、大也は風呼に真剣な想いを伝え、交際を申し込みます。風呼は幸せになることを願い、大也との関係を始めます。

大也と順調な交際を続けていた風呼でしたが、今度は壱が風呼に改めて告白します。伊織への想いは完全に断ち切ったこと、そして風呼が好きだと大也にも宣言したことで、再び三人の関係は複雑になります。大也への想いは変わらない風呼でしたが、焦り苛立つ大也との間にすれ違いが生じ、やが呼は別れを告げられてしまいます。高校2年生になり、皮肉にも三人は同じクラスで複雑な感情を抱えたまま日々を過ごします。しかし、大也に中国への留学話が持ち上がったことで、風呼は改めて彼への強い想いを自覚します。三人の恋心は激しく揺れ動きますが、最終的に風呼は大也への変わらぬ気持ちを伝え、二人は再び結ばれることになります。

主な登場人物

亀山風呼：物語の主人公。ごく普通の高校生でありながら、明るく元気で、おしゃれ好きな一面を持つ。髪をいじることや子供と遊ぶことが好き。ドラマCD版の声は小清水亜美、ネットドラマ版の演者は髙橋ひかる。
新保大也：壱のいとこ。明るく親しみやすい性格で女性からの人気も高い。風呼を巡って壱と関係が複雑になる。テニス部に入部する。ドラマCD版の声は鈴村健一、ネットドラマ版の演者は中尾暢樹。
新保壱：大也のいとこ。風呼と同じアパートの上階に住む。生徒会長を務め、一見するとクールで物静かな印象だが、内には情熱を秘めている。優秀な秀才でもある。ドラマCD版の声は浪川大輔、ネットドラマ版の演者は林裕一朗。
藤秋桜：風呼のテニス部の先輩。美人で、当初は大也に惹かれていたが、後に磯部智と交際し子供をもうける。ドラマCD版の声は山崎和佳奈、ネットドラマ版の演者は川添野愛。
磯部智：秋桜の恋人。通称「磯っち」。バスケ部所属。人なつっこい性格。ドラマCD版の声は岸尾大輔、ネットドラマ版の演者は兼次要那。

他にも、風呼の友人である小森ちさや大林真子、壱の過去に関わる伊織恵、壱を慕う影近、壱の妹である新保古都など、個性豊かなキャラクターたちが物語を彩ります。

メディア展開

本作は漫画連載中に大きな人気を博し、様々なメディアミックスが展開されました。

ドラマCD：2004年に集英社から発売。人気声優陣が主要キャラクターを演じ、物語の一部が音声化されました。
台湾ドラマ：『愛似百匯（パフェちっく!〜スイート・トライアングル〜）』のタイトルで、2010年から2011年にかけて台湾でテレビドラマ化され、日本でも放送されました。全20話で、主題歌は人気男性グループ飛輪海が担当しています。
日本ネットドラマ：2018年に日本でネットドラマ化されました。フジテレビオンデマンド（FOD）で配信され、後に地上波でも放送されました。全10話。原作からの変更点として、主人公たちが所属する部活動がテニス部からダンス部に変更されています。

漫画単行本はマーガレットコミックスより全22巻が刊行されており、多くの読者に愛され続けている作品です。

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