パラマス

パラマス：ショッピングとブルー・ローの共存する街

ニュージャージー州バーゲン郡に位置するパラマスは、ニューヨーク市から程近い町です。2020年の人口は約2万6000人。その立地と、独特の法律「ブルー・ロー」が織りなす魅力的な街として知られています。

ショッピングの楽園

パラマスは、5つもの大規模なショッピングセンターとモールを擁するショッピングの街として有名です。特に、州間高速道路4号線と17号線沿いに点在するこれらのモールは、ニューヨーク市近郊からの買い物客で常に賑わいをみせています。ニュージャージー州では衣服に消費税がかからないため、近隣のニューヨーク州ロックランド郡やニューヨーク市からも多くの買い物客が訪れます。

中でも、州間高速道路4号線と17号線の交差点に位置するウェストフィールド・ガーデン・ステート・プラザは、全米でも有数の規模を誇る巨大ショッピングモールです。その周辺には様々な商店が立ち並び、特に北側に位置するIKEAは世界で3番目に大きい規模を誇ると言われています。

バーゲンモール、モール・アット・IV、パラマス・パーク、そしてファッション・センターなど、それぞれ個性豊かなモールが買い物客を惹きつけます。これらのショッピングモールは、パラマスの経済を支える重要な柱となっています。

ブルー・ロー：静寂の日曜日

しかし、パラマスにはもう一つの顔があります。それは、バーゲン郡全体に適用されている「ブルー・ロー」という法律です。アメリカ合衆国で唯一、日曜日を礼拝と安息の日と定めるこの法律により、日曜日には食料品と生活必需品以外の商品の販売が制限されています。

このブルー・ローの影響はショッピングモールにも及んでおり、スーパーマーケット以外の多くの店舗は日曜日には閉鎖されます。スーパーマーケットにおいても、電化製品や衣料品などの通路は閉鎖されることが一般的です。さらに、ホワイトカラーのオフィス業務も禁止されているため、日曜日のパラマスは静けさに包まれます。

繰り返しブルー・ロー廃止案が提出されていますが、住民投票でことごとく否決されています。その背景には、宗教的な理由ももちろんありますが、それ以上に、平日の通勤ラッシュと土曜日の買い物客による大渋滞に疲れた住民たちが、日曜日だけは静かに過ごしたいという強い願望があるようです。ユダヤ教徒やイスラム教徒などの宗教的少数派の反対も一部存在しますが、この穏やかな日曜日を維持したいという住民全体の意思が、ブルー・ロー存続の大きな理由となっていると言えるでしょう。

パラマス：対照的な魅力

このように、パラマスは活気あふれるショッピングの街であると同時に、静寂に包まれる日曜日の顔も持ち合わせています。この対照的な魅力が、パラマスという街の独自性を形作っていると言えるでしょう。買い物客で賑わう週末と、静かに時が流れる日曜日のコントラストは、この街の特別な魅力となっています。ショッピングと安息、相反する要素が共存するパラマスは、これからも独自の進化を続けていくことでしょう。

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