パラモア

Paramore：栄光と苦難を乗り越えたロックバンドの物語

2000年代半ば、アメリカ合衆国の音楽シーンに彗星のごとく現れたロックバンド、Paramore。その名は、愛や恋心を意味する言葉に由来し、バンドの情熱的な音楽性を予感させる。テネシー州出身の彼らは、才能豊かなメンバーと、幾多の困難を乗り越えてきた歴史を持つ。

幼少期の出会いからデビューへ

中心人物であるヘイリー・ウィリアムズは、音楽好きの家庭環境で育ち、幼い頃から歌唱コンテストに参加するなど、音楽への情熱を燃やしていた。13歳の時、テネシー州フランクリンに転居したことをきっかけに、ファロ兄弟（ジョシュとザック）と出会い、バンド結成へと繋がった。U2などの音楽に影響を受け、ヘイリーは本格的な楽曲制作に取り組み始める。さらに、近所に住むジェイソン・バイナムが加入し、初期メンバーが揃う。

地元で人気を博した彼らは、ナッシュビルでデモテープを作成。その才能はレーベル関係者の目に留まり、Fuelled by Ramenと契約。2005年、記念すべきデビューアルバム『All We Know Is Falling』を発表。ヘイリー17歳、ザック15歳という若さでメジャーデビューを果たした。フォール・アウト・ボーイを先輩バンドに持つ彼らは、しばしば「フォール・アウト・ボーイの弟分」と紹介されることもあった。

成長と成功、そしてメンバーチェンジ

2007年発表のセカンドアルバム『Riot!』はBillboard 200で最高15位を記録するなど、高い人気を獲得。翌年にはグラミー賞最優秀新人賞にもノミネートされた。映画『トワイライト～初恋～』への楽曲提供も果たし、世界的な知名度を上げる。2009年発表のサードアルバム『Brand New Eyes』は、全英チャートで1位を獲得するなど、世界的な成功を収めた。

しかし、2010年、ファロ兄弟の脱退という大きな転換期を迎える。脱退理由として、ジョシュは自身のブログで、メジャーレーベルへの不満やヘイリーへの批判を表明した。バンドは残りのメンバーで活動を継続することを発表。

2011年には3人体制で新たな楽曲を発表。2013年には、ファロ兄弟脱退後初のアルバム『Paramore』が、バンド史上初のBillboardチャート1位を獲得。2015年には『Paramore』からのシングル「Ain't It Fun」でグラミー賞最優秀ロック・ソング賞を受賞する快挙を達成した。同年、ベーシストのジェレミー・デイヴィスの脱退を発表。メンバー間の確執が原因であったとされる。

再び結束し、新たなステージへ

2016年、脱退していたザック・ファロが新作のレコーディングに参加することが発表された。その後、2017年にはザックの正式なバンド復帰が発表され、再び3人体制で活動を再開。同年、5thアルバム『After Laughter』をリリース。

そして2024年、第66回グラミー賞にて、アルバム『This Is Why』でBest Rock Album、タイトル曲でBest Alternative Music Performanceを受賞。幾多の苦難を乗り越え、彼らは再び輝かしい成功を掴んだ。

メンバー紹介

現在のメンバーは、ヘイリー・ウィリアムズ（ボーカル、キーボード）、テイラー・ヨーク（ギター、コーラス）、ザック・ファロ（ドラムス、パーカッション）の3人。テイラー・ヨークは、前任メンバーの脱退後にサポートメンバーとして加入し、後に正式メンバーとなった。ザック・ファロは、一度脱退後、バンドに復帰している。過去には、ジェイソン・バイナム、ジョシュ・ファロ、ジェレミー・デイヴィス、ウィリアム・“ハンター”・ラム、ジョン・ヘンブリーといったメンバーが在籍していた。

豊富なディスコグラフィー

Paramoreは、アルバム、ライブアルバム、リミックスアルバム、EP、シングルなど、数多くの作品を発表している。彼らの音楽は、ポップ・パンクからオルタナティブ・ロックまで幅広いジャンルに渡り、時代と共に進化を遂げている。

日本公演

日本でも高い人気を誇るParamoreは、これまでに何度も来日公演を行っている。2006年の初来日から、サマーソニックへの出演、単独ツアーなど、日本のファンを魅了してきた。

まとめ

Paramoreは、メンバーチェンジや音楽性の変化、そして様々な困難を経験しながらも、その人気を維持し続けている稀有なバンドである。彼らの音楽は、世代を超えて多くの人々に共感を与え続け、これからも音楽シーンを牽引していく存在として注目を集め続けるだろう。

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