パリキール

パリキールは、太平洋に浮かぶミクロネシア連邦の首都であり、ポンペイ島の北西、北緯6度55分、東経158度9分に位置しています。しかし、一般的な首都のイメージとは異なり、パリキールは市街地と呼べるほどの規模ではありません。政府機関が集まる区域を除けば、小さな村といった方が適切でしょう。

概要

特筆すべき点として、在ミクロネシア連邦日本国大使館は、パリキールではなく旧首都であるコロニアに置かれています。これは、パリキールの規模や機能が、外交拠点としての要件を満たしていないことを示唆しているかもしれません。

語源

パリキールの地名の由来には、興味深い伝説が残されています。その美しさゆえに外部からの干渉を嫌い、土地が自ら海に沈んだというのです。現在のパリキールは痩せた土地ですが、これは「kihr（沈んでいる）」と「pali（側）」を組み合わせた「沈んでいた側」、つまり「裏側」を意味するとされています。また、パリキールの古雅名であるリキンラマラムは、「liki（外）」と「lamalam（考え）」を組み合わせた「意思の外」を意味し、古い時代のポンペイ王シャウ・テレウルの支配から独立していたことを示唆しています。

地理と気候

パリキールは、熱帯性の気候に属し、年間を通して高温多湿です。ポンペイ島自体が豊かな自然に恵まれており、パリキールも緑に囲まれた環境です。ただし、首都機能が集中しているエリアは、近代的な建物が立ち並び、自然環境とのコントラストが見られます。

歴史

ミクロネシア連邦の首都は、元々ポンペイ島最大の町であるコロニアに置かれていました。しかし、1986年に独立を果たした連邦政府は、パリキールに新たな政府施設の建設を決定しました。この建設は、主にアメリカ合衆国からの支援によって行われ、行政庁舎や裁判所などの近代的な施設が整備されました。そして、1989年にパリキールは正式に連邦の新たな首都となったのです。

対外関係

パリキールは、以下の都市と姉妹都市・提携都市の関係を結んでいます。

ヌクアロファ（トンガ王国 トンガタプ島）
サン・セバスティアン（スペイン王国 バスク州 ギプスコア県）

これらの都市との交流を通じて、文化や経済など、様々な分野での協力関係を築いています。

パリキールは、その規模こそ小さいものの、ミクロネシア連邦の政治・行政の中心地としての役割を担っています。美しい自然と近代的な施設が共存するこの場所は、ミクロネシア連邦の多様性を象徴していると言えるでしょう。

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