パリ協定 (気候変動)

パリ協定の概要

パリ協定とは、2015年12月12日にフランスのパリで開催された第21回気候変動枠組条約締約国会議（COP21）で採択された国際的な合意です。この協定は、気候変動の抑制を目的としており、1997年に採択された京都議定書以来、18年ぶりに登場した新たな国際的枠組みとなっています。すべての気候変動枠組条約加盟国、約196の国・地域が参加する枠組みとしては、初めての試みです。

目的と目標

パリ協定の主な目的は、産業革命前からの地球の平均気温上昇を「2度未満」に抑え、さらには「1.5度未満」を目指すことです（第2条1項）。これを実現するため、各国は節電や温暖化を招く行為の抑制に努めることが求められています。

緩和と適応

地球温暖化への対処について、パリ協定では「緩和」と「適応」という2つのアプローチが示されています。緩和とは、温室効果ガス排出の削減や吸収を目指すものであり、適応とは、既に影響が進行している変化に対応することを指します。協定第4条1項と第7条1項では、この2つの側面に基づく具体的な目標が設定されています。

各国の削減目標

パリ協定の特徴的な点は、各国が自国で決めた削減目標（Nationally Determined Contribution、略称：NDC）を提出し、守る義務があることです。ただし、目標の達成自体には法的な義務は存在しません。例えば、日本は2030年までに2013年と比べて温室効果ガスを26％削減することを目指しています。

また、中国は2030年ごろにCO2排出量がピークに達するよう努めることを示し、韓国はBAU（Business As Usual）比で37％の削減を目標としています。さらに、アメリカは2025年までに2005年比で26～28％削減する目標を掲げていますが、トランプ政権下では協定からの離脱が表明されました。

アメリカの協定離脱と復帰

ドナルド・トランプ大統領は2017年6月にアメリカの協定離脱を表明し、「中国やインドは何も貢献していないのにアメリカだけが負担を強いられる不公平な協定だ」と批判しました。この離脱は世界中の反発を招き、トランプ政権は国内外からの非難に直面しました。

しかし、2021年1月20日、バイデン大統領が新たに就任すると、アメリカのパリ協定復帰が発表され、国際的なリーダーシップを再び強調しました。

結論

パリ協定は、気候変動峰会によって形成された国際的な合意です。すべての国が温暖化対策に責任を持ち、持続可能な未来に向けた努力が求められる時代に、各国の取り組みや国際協力がますます重要になっています。この協定を通じて、持続可能な発展と気候変動への適応能力が高められることを期待しています。

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