パレ・デ・ナシオン

パレ・デ・ナシオンの概要

パレ・デ・ナシオンは、スイスのジュネーヴに位置する壮大な建物で、現在は国際連合のジュネーブ事務局として利用されています。この建物は、国際連盟の本部として1929年から1938年にかけて建立され、その後1946年からは国際連合に引き継がれました。スイスが国際連合に加盟したのは2002年です。

パレ・デ・ナシオンの名称は「万国の宮殿」を意味し、英語では「Palace of Nations」と翻訳されます。

歴史的背景

計画と建設

1920年代、この建物の設計を競う建築コンペが開催されました。プロジェクトの目的は、ジュネーブに集まる国際連盟の全機関が円滑に機能できるようにすることでした。計377点の応募の中から建築家の審査員が選ばれましたが、最終的なデザインは5人の建築家によって共同で作成されました。これにはスイスのジュリアン・フレゲンハイマー、フランスのカミーユ・ルフェーヴル、アンリ・ポール・ネノ、イタリアのカルロ・ブローギ、ハンガリーのヨシフ・ヴァーゴが含まれます。

1936年に完成したこの建物は、体積で見ると44万立方メートルで、当時ヴェルサイユ宮殿に次ぐヨーロッパ第2位の大きさを誇っていました。

拡張と改築

国際連合への移管後、パレ・デ・ナシオンはさらなる拡張を遂げました。1950年から1952年にかけては、世界保健機関を一時的に収容するためのK棟とD棟が建設されました。続いて1968年から1973年にかけて、新たにE棟が増設され、これにより会議室が34室に増加しました。建物の延長は600メートルに達し、オフィス数は2,800室、総容積は85万3,000立方メートルに達しました。

立地と周辺環境

パレ・デ・ナシオンはアリアナ公園内に位置しています。この公園は、1890年にギュスターヴ・ルヴィーヨによって市に遺贈され、常に一般に開放されることが条件でした。公園には歴史的なシャレーも存在し、周囲の自然とも調和しています。建物からはレマン湖やフレンチアルプスの美しい景色を望むことができ、多くの訪問者がその景観を楽しむことができます。

タイムカプセル

パレ・デ・ナシオンの基礎石の下には、タイムカプセルが埋められています。このカプセルには、国際連盟加盟国の名前が記録された文書や、国際連盟規約の写し、参加国の硬貨などが封入されています。また、国際連盟の建物が刻まれた銀メッキされた銅のメダルも制作されました。

まとめ

パレ・デ・ナシオンはその歴史的意義と壮麗な建築で、国際的な会議やイベントの中心として機能しています。その重要性は今も変わらず、多くの国が集うこの場所は、国際的な協力と交流の象徴ともいえるでしょう。

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